棋王のタイトル獲得から一夜明け、記者会見で「六冠」の揮毫を披露する藤井聡太六冠=栃木・日光市(撮影・飯田英男) 将棋の第48期棋王戦五番勝負で勝利し、最年少の20歳8カ月で6冠を達成した藤井聡太棋王(20)=棋聖・竜王・王位・叡王・王将=が20日、棋王奪取から一夜明けて栃木県日光市で記者会見に臨んだ。「六冠」と揮毫(きごう)した色紙を披露し「少し照れくさい」とはにかみつつ、4月からの新年度への意気込みを語った。またタイトル戦などの過密日程を乗り越えるリラックス法として、対局会場への〝乗り鉄〟を楽しんでいることも披露した。
力強い筆で「六冠」と揮毫した色紙を手にスーツ姿で会見に登場。りりしさがあふれる中、藤井棋王は少しだけはにかんだ表情をみせた。
「少し照れくさいところがあったけど、6冠は非常に光栄なこと。立場に見合う将棋が指せるように努めていければ」
今シリーズでは渡辺明前棋王(38)=名人=に挑み、通算3勝1敗で棋王を奪取。羽生善治九段(52)の24歳2カ月を抜いて、史上最年少20歳8カ月で6冠を達成した。
「タイトル数はそれほど意識することではないですが、しばらく防衛戦が続く中で、棋王戦で挑戦の機会を得ることができた。その中で獲得できたのはうれしい結果だと思います」と語った。
今シリーズは、1月に始まり初防衛戦となった王将戦と同時進行。過密日程と緊張感が続く中、リラックスする時間を大切にして気持ちを切り替え、見事に初防衛とタイトル奪取に成功した。
藤井棋王はリラックスするための秘けつについて「タイトル戦では、ふだん行けないようなところに行くことが多い。それも楽しみの1つ」。対局会場へ移動する際には〝乗り鉄〟として楽しむことだと明かした。