WBC準決勝に備え、キャッチボールで調整する湯浅京己=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・水島啓輔) 開幕は大丈夫です! ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表で米国に滞在中の阪神・湯浅京己投手(23)が20日(現地時間19日)、31日のDeNAとの開幕戦(京セラ)のベンチ入りに意欲をみせた。今季からクローザーを務める右腕の1軍合流は当初4月中旬と見込まれていたが、本人の意向やチーム事情もあり、帰国即の開幕1軍スタートが現実味を帯びてきた。
日本中を熱狂させている侍戦士。米マイアミでの戦いが終われば、休む間もなく31日にプロ野球開幕を迎えるが、湯浅が海の向こうからアツアツなメッセージを送ってきた。
「(開幕は)いくでしょ、いきますよ。いかない理由がない。自分はずっといくつもりでいるんで」
WBCの結果にもよるが、日本に帰国するのは23日前後。開幕まで1週間しか時間はない。体調面やWBC球からNPB球に戻ることに戸惑いがあるのでは…という声にも「全然いけると思います。自分は『いける』という意思表示は(日本に)帰ってから(首脳陣に)したいと思ってます」とキッパリと言い切った。
これらの発言を伝え聞いた安藤投手コーチは、神宮室内で行われた指名練習後、「状態は悪くなさそう。(本人が)いけるんだったら、いくでしょうね」と発言。ただ、実戦で登板してチェックすることを条件に掲げた。「下(2軍)で投げるのもあるでしょう。監督との相談にもなるでしょうし」。28日からのウエスタン・オリックス3連戦(杉本商事BS)で復帰へのテスト登板をすることになりそうだ。
岡田監督は「(日本に)帰って、合流してからの判断やろ。本人にまず聞いてからやんか、そんなの」と慎重な姿勢。「シーズンは長い。無理をさせられへん」と、先を見据えて4月中旬を復帰時期に設定していた。
湯浅の代役抑えとして来日2年目右腕のK・ケラーを指名するつもりだったが、オープン戦5試合に登板して防御率3・60と不安定な投球が続いており〝最終決定〟には至ってはいない。
開幕9連敗とつまずいたことがV逸の原因となった昨年の例がある。150キロ超の速球と高速フォークを駆使して相手打者をねじ伏せられる湯浅がブルペンにいれば心強い。岡田監督の最終決断に、注目だ。(三木建次)