会見で撮影に応じる石井さやか(左)と父のDeNAコーチの石井琢朗氏=神奈川県横浜市(撮影・加藤圭祐) 今年1月の全豪オープン・ジュニア女子でシングルス、ダブルスとも4強となった石井さやか(17)が20日、横浜市内で記者会見し、21日付でのプロ転向と、医療・ヘルスケア企業のユニバレオの所属となることを発表した。
「目標はグランドスラム(四大大会)のシングルスで優勝することです」。石井は緊張気味に話した。
父はプロ野球・横浜DeNAの石井琢朗チーフ打撃コーチ。5歳でテニスを始め、国内年代別でトップクラスの成績を収めた。昨年11月の女子国別対抗戦・BJK杯で初めて日本代表に選出。今年1月の全豪オープン・ジュニアでは準決勝に進み、ジュニア世界ランキングで自己最高の8位となった。
9歳の時にウィンブルドンを生で観戦。それがプロになりたいという思いとなり、この日につながった。昨年10月から米・IMGアカデミーを拠点としており、「早めにプロの大会に回っていきたいとずっと思っていたので、それが今回、転向のタイミングになった」という。
尊敬するアスリートはカロリナ・プリスコバ(30)=チェコ=と父。父については「すごい努力をする人で、一人の選手としてすごく尊敬している」と話した。その上で「これまでは、お父さん(石井琢朗)の娘がテニスをやっている、だったけど、これからは石井さやかの名前で、お父さんがプロ野球選手だったとなるように頑張ります。自信はあります」と胸を張った。
「正直、最初はテニスをなめていて、こんな大変な競技だと思ってなかった」とは、会見に同席した父の琢朗氏。「チームスポーツは個人のミスをみんなでカバーできるが、個人競技は結果がすべて自分に返ってくるタフな世界。コーチもトレーナーも全部個人で賄わないといけない。その意味で、僕が今いる世界は甘い世界だと感じている」とまで話した。
娘については「物心ついた時からプロのテニスプレーヤーになりたいといっていた。僕自身もプロアスリートとして、ならば退路を断ってでも目指しなさいと。(当時)小学6年の娘に退路を断つ覚悟をさせるのはどうかと葛藤はあったが、親の心配以上に娘の意志が強かった」と話し、「家族の目標として歩んできた。ここがやっとスタート地点。あとは本人次第」と期待を寄せた。
今後は4月に甲府と柏での国際大会に出場し、米国に戻ってツアーに臨む。