ローンデポ・パークで練習を行った大谷。表情が引き締まる(撮影・長尾みなみ) 【マイアミ(米フロリダ州)19日(日本時間20日未明】ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表はメキシコと激突する20日(同21日午前8時試合開始)の準決勝の舞台、ローンデポ・パークで初の全体練習を行った。大谷翔平投手(28)はエンゼルスの同僚でメキシコの先発左腕、パトリック・サンドバル投手(26)の攻略法を侍ジャパンに伝授。自身はDHに専念し、バットで3大会ぶりの世界一に導く。
練習に臨む侍ジャパンナイン=米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク(撮影・水島啓輔)侍ジャパンが決戦の地に足を踏み入れた。ローンデポ・パークで行われた初の全体練習。大谷は決戦前日、リラックスした表情でグラウンドに現れ、ルーティンである重さの異なる「プライオボール」での壁当てや、キャッチボールを行った。
過去2大会で敗れている準決勝の壁に挑む。2013年は1―3の八回1死一、二塁で重盗失敗が響き、プエルトリコに敗戦。17年は優勝した米国を相手に善戦したが、1―2で競り負けた。
再び栄光を取り戻すために大谷の力が必要だ。「優勝だけを目指して、勝つことだけを考えていきたい。それ以外は何でもいい」。勝利に飢える二刀流プレーヤーがバット一本で勝負に出る。
準決勝で対戦するメキシコの先発は、エンゼルスで大谷とチームメートの左腕サンドバル。昨季は6勝(通算10勝)にとどまったが、援護点に恵まれなかっただけ。防御率2・91を誇り、エンゼルスでは先発2、3番手に挙がる。
速球は球速150キロ前後で、スライダーとチェンジアップで奥行きを持たせてくる。昨季、対左打者の被打率・151(119打数18安打)、被本塁打ゼロの〝左キラー〟。上位打線に左打者が並ぶ日本打線にとって難敵となるが、大谷は村上や近藤らに特徴などを伝え、攻略へのイメージを描いている。