大相撲初場所で幕下15枚目格付け出しで7戦全勝優勝した落合が、春場所で関取デビューを飾った。2日目に同じく新十両の玉正鳳に土俵際ではたき込まれデビューからの連勝は8でストップ。プロ初黒星を喫したが、3日目から破竹の7連勝で、9日目には早くも勝ち越しを決めた。
幕下15枚目以内の7戦全勝は十両昇進の対象となる。それでも落合は、「1場所で上がれるとは思っていなかった。春場所で関取を目指す気持ちだった」と驚きを隠せず。編成を担う日本相撲協会審判部でも、さまざまな意見が出たようだ。
審判部の判断が注目されたのは、平成18年夏場所で落合と同じ幕下15枚目格付け出しで7戦全勝優勝しながら、十両昇進が見送られた下田の例があるからだ。協会には「幕下15枚目以内の全勝者は十両昇進の対象にする。ただし、無条件に昇進させるものではなく、その時の状況による」との内規がある。十両からの陥落力士は2人しかおらず、幕下の東西筆頭で勝ち越した上林と龍皇が昇格。当時の北の湖理事長(元横綱)は、「15枚目と15枚目格の扱いは違う」と説明した。
下田は17年の学生横綱で日大時代に個人タイトルを16個獲得。追手風部屋に入門し、将来を期待された逸材のはずだった。十両昇進が見送られ、西幕下筆頭だった翌名古屋場所で2勝5敗と負け越すと、歯車が狂い始め、関取の座は遠のいていった。