森下(右)は一回、二塁でタッチアウトになる。少し立ち止まってしまったのが響いたか あの2つのプレーはアカンよ。阪神は19日、ヤクルトとのオープン戦(神宮)に0―3で敗れ、連勝は「4」で止まった。岡田彰布監督(65)は、初めて2番で起用したドラフト1位・森下翔太外野手(22)=中大=に初カミナリ。得点圏に走者がいる状況で進塁打を打てず、挟殺プレーでの消極的な走塁も叱責した。オカダ流〝期待の裏返し〟だ。
気温20度に迫ろうかというポカポカ陽気にもかかわらず、今春の対外試合18試合目で初の零封負け。そんな中、ルーキーの森下がマルチ安打で奮起した。ようやった? いやいや…。岡田監督がブスッした表情で指摘したのは、一回無死二塁での投ゴロだった。
「ヒットは出たけどなあ、おーん。初回なんかは、そらあかんわな。打ち方がおかしいということやんか。どんなサインか、言われへんけど」
一回先頭の近本が左中間二塁打。岡田監督は、オープン戦に初めて「2番」で起用した森下に「進塁打」のサインを出したとみられる。最悪でも1死三塁にして先制点を奪う作戦だったが、先発したヤクルトのD1位・吉村(東芝)の外角直球を引っかけて投ゴロ。二、三塁間に挟まれた近本は森下を二塁まで進めようと時間を稼ぐも(タッチアウト)、森下は一塁を回って一瞬立ち止まってしまい、二塁憤死。最終的に最悪の投ゴロ〝ゲッツー〟のような形になり、先制のチャンスは霧散してしまった。
将は2番に起用した理由を「早く(打席を)回そうと思って」と明かしつつ「(シーズンで2番は)打たせへんけど、もしああいう場面になったとき、そういうことをやらないかんわけやんか。最低でもサードに(走者を)送るとか」と指摘。走塁については「あとのプレーなんか、シーズン中だったら大変やで、お前」と容赦がなかった。
5日のオリックス戦(甲子園)では、帰塁する際にベースを踏み忘れてアウトになるミス。そのとき指揮官は「野球人(として)のミスやな」と注意を促すだけにとどめた。しかし、今回は違う。オープン戦を通じてシーズンの戦力になることをすでに証明している。使い続けて、打撃でも走塁でもチームを引っ張っていってほしいと見込むからこそ、厳しい言葉をつむいだ。