プロボクシング日本バンタム級タイトルマッチが20日、東京・後楽園ホールで行われた。王者の堤聖也(27)=角海老宝石=が、同級1位の南出仁(27)=セレス=に7回1分41秒TKO勝ち。2度目の防衛を果たした。
同い年でアマチュア時代から存在を知っていた南出に圧勝した堤が、誇らしげにリング上でベルトを肩に巻いた。
「強い選手、ずっとリスペクトしていた選手にこういう内容で勝てたのは、少しは自信になる」
1回に右フックでスリップ気味のダウンを奪うと、2回と5回にともに右フックで南出がキャンバスに手をつくダウンを奪取。7回にラッシュをかけるとレフェリーが試合を止めた。
前4団体世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が、全王座を返上したため、現在同級の世界王座はすべて空位。元WBC世界同級暫定王者で、WBA世界同級2位の井上拓真(27)=大橋=が、王座決定戦(4月8日、東京・有明アリーナ)で同級3位のリボリオ・ソリス(40)=ベネズエラ=と対戦するが、堤は同学年の拓真に高2の全国高校総体準決勝で判定負けしており、やり返したいというのもプロ転向した1つのきっかけとなった。
「ゆくゆくはそこ(拓真)に挑戦したい」と将来的な対戦を希望した。日本王者の堤が優勝賞金1000万円の井上尚弥バンタム級4団体統一記念杯バンタム級モンスタートーナメント(予選が5月20日に東京・墨田区総合体育館、準決勝が8月30日に東京・後楽園ホール、決勝が12月26日に同会場)に出場する場合は、7選手によるトーナメントとなり予選は免除され、準決勝から出場することが濃厚。「今は話せない」と出場するかどうかの明言は避けたが、今月31日に出場者が発表される見込みで、選択肢に入っている。
「まだまだ伸び盛り。もっと強くなりたい」と世界王座を目指す堤は、拓真の兄の名前を冠したトーナメントを足掛かりにするかもしれない。
プロ戦績は堤が10戦8勝(7KO)2分け、南出が10戦7勝(5KO)3敗となった。