選抜高校野球大会で3年ぶり10回目出場の履正社(大阪)は第6日(23日)の第3試合に登場。1回戦を勝ち上がった高知と対戦する。投手陣の柱、増田壮投手(3年)が尊敬する人物にあげるのが、阪神タイガースOBの西田直斗さん(29)。増田が中学時代にプレーした硬式野球チーム「寝屋川中央リトルシニア」で指導を受けた恩師だ。
西田さんは大阪桐蔭で2年春に選抜大会に出場し、俊足強打の遊撃手として活躍。2012年ドラフト3位で阪神に入団した。18年までプレーした後はスーツ職人に転じ、20年10月から寝屋川中央リトルシニアの監督も務めている。増田は中学時代に西田さんに野球を教えてもらいながら、西田さんの自宅に招かれたり食事に連れて行ってもらったりと、グラウンド内外でお世話になった。
阪神時代の西田直斗さん寝屋川中央リトルシニアでは度々、西田さんが打席に立って真剣勝負に挑んだが、必ずといっていいほど打ち返されて「まだまだ」とダメ出しされていたという。
増田が履正社に進学し、今回の選抜大会出場を決めた際には、西田さんから「(大阪)桐蔭に勝てよ。桐蔭に勝ったら俺に勝ったのを認めたるわ」とハッパをかけられた。
履正社がライバルとしている大阪桐蔭のOBである西田さんから刺激的な激励の言葉をもらい、増田は「大阪桐蔭に勝ちたいです」。神宮大会王者・大阪桐蔭に勝って、お世話になった人に成長した姿をみせたい。
履正社は準優勝した2017年の89回大会決勝で大阪桐蔭と「大阪決戦」を演じたが、3-8で敗れた。今大会も互いに勝ち上がれば31日の決勝で激突する可能性がある。4年ぶりにスタンドの声出し応援が解禁。増田の望みどおりに6年ぶりの「大阪ダービー」が実現すれば、甲子園は一層盛り上がりそうだ。(上阪正人)