大垣日大(岐阜)戦で満塁本塁打を放つ沖縄尚学・仲田侑仁=18日、甲子園球場 選抜高校野球が開幕し、開幕日の18日に沖縄尚学・仲田侑仁内野手(3年)が大垣日大戦で大会1号の満塁本塁打を放つなど高校生の〝球春〟が告げられている。
昨夏の甲子園で、2本の本塁打を放った高松商・浅野翔吾外野手がドラフト会議で巨人と阪神から1位で指名が競合(巨人が指名権獲得)。あらためて大砲候補が求められているのが如実になっている。
「使うバットが金属製から木製にかわって、とまどっている」という大学野球部の新入部員の声を多く聞いている。金属では多少手元でも先でも飛距離が出ることはあるが、木製では「芯」でとらえなければならないのは当然のことだが、さらに同じスイングスピードでもバットのしなりが感じられるようなスイングでないと木製では飛ばないともいわれている。
そこに高校生の大会で使用できるバットの規定が来年変わることの影響が加わる。金属バットの最大直径が3ミリ減の64ミリで細くし、肉厚を3ミリから4ミリにすることになっており、試打や試験から「飛距離は1割減」と予測されている。今年にしっかりした素材を求めざるを得ない傾向になりがちだ。
平均の身長、体重が変わってきていることに加え、ウエートトレーニングで強化されて飛距離が増してきているが、2024年度の大会で使用されるバットでは、本塁打が激減し、戦術も変わってくる。「フライボール革命」に沿った打撃強化策からの変更も考えられてくるだろう。将来の見極めはさらに困難になる。
それだけに、この春夏に「高校生の大砲候補探しは急務」という命題が挙がっている。
通算の本数も含めて、本塁打だけで評価されるものではないが、どういう投手からどういう球をどう打ったか? 実際の打撃、映像を通じて、柔らかさ、強さ、どういうスイングで打てたかもチェックされ、データ化も大きな要素となる。
大会ナンバーワン打者と期待される広陵・真鍋慧内野手(3年)が大会第3日の第2試合に登場し、鋭いスイングで結果を出しているが、そのほか、素材としての高校生打者の見極めが厳しいシーズンが続く。(アマチュア野球取材班・赤堀宏幸)