八回、安打を放つ阪神・森下翔太=神宮球場(撮影・安部光翁) (オープン戦、ヤクルト3ー0阪神、19日、神宮)近鉄、西武で主砲として465本塁打&2452安打をマークし、西武コーチ時代には清原和博らを育てたサンケイスポーツ専属評論家・土井正博氏(79)は「2番・右翼」で2安打を放った阪神D1位・森下翔太外野手(22)=中大=を改めて、高く評価した。
森下の2番は「打席に多く立たせるため」だったようだが、オープン戦でいろんな打順を経験させるのは、長いシーズンを考えるとプラスになる。ここまでの森下の内容を見ると「中軸を打てる力を秘めている。絶対にスタメンで使い続けて成長させるべき逸材」だ。私自身も打撃コーチ時代に「これは」と思う選手は、監督にお願いして使い続けてもらったことが何度もあった。松井稼頭央、中島宏之、中村剛也(いずれも西武)らは、出場し続ける中からはい上がってきてくれた。
どんな選手も好不調の波は必ず来る。監督も我慢が必要な時期が来る。下位を打たせるのも一手だし、2番で気分を変えるのも選択肢の1つに入れてほしい。右打ちや、エンドランなどのサインが出たと時のことを勉強していけばいい。一回の打撃(無死二塁で投ゴロ)も、結果的に走者を進められなかったが、何とか押っ付けようとする姿勢は見えた。評価してあげたい。
打撃に関しては、合格点が続いている。追い込まれるまでは力強く振れる。その一方で八回の安打は、追い込まれて、タイミング的には泳がされながらもうまく球を拾えていた。真っすぐに詰まらない。変化球は拾える。口で言うのは簡単だが、できる選手はプロでも限られている。森下の常に自分のポイントで打てる技術は、天性を感じさせる。打撃のレベルを高めて、極めていけば、岡田監督の現役時代ぐらいの成績を残せる選手になれる可能性を感じる。
ただし、一回の二塁で憤死した走塁は拙い(投ゴロの後、二走近本が二、三塁で挟まれる間に二進を試みたが、結局は〝併殺〟)。勉強することはまだまだいっぱいある。
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