6日目の御嶽海戦で3敗目を喫した貴景勝(右)。この日の夜に休場を決断し、綱とりは振り出しに戻った 大相撲の西大関貴景勝(26)が春場所7日目の18日、日本相撲協会に「左膝内側半月板損傷」との診断書を提出して休場した。横綱昇進に挑んでいたが、6日目に3敗目を喫して場所後の昇進は極めて厳しくなっていた。一人横綱の照ノ富士は初日から休場で、横綱、大関陣の不在は昭和以降初の異常事態となった。
師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると再出場はしない。夏場所(5月14日初日、両国国技館)は一転して、6度目のかど番となる。
貴景勝は3日目の正代戦で左膝を負傷。6日目の御嶽海戦で悪化させた。取組後に病院で診察を受け、17日夜に自ら休場を申し出たという。同親方は「いろいろ話はしたが、相撲を取るのは無理だということだ」と説明した。今後は手術を受けずに治療する方針。
横綱審議委員会の推薦内規には「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」とある。貴景勝は昨年九州場所では三つどもえの優勝決定戦に敗れ、先場所は3度目の賜杯を抱いた。
大関で優勝同点、優勝と続けて翌場所も大関だったのは若ノ花(後の横綱初代若乃花)、横綱3代目若乃花に次いで3人目。2人は翌場所で休場に追い込まれて綱とりに失敗したが、貴景勝もジンクスを打ち破ることはできなかった。
初めて綱とりに挑戦した令和3年初場所も、左足首を痛めて途中休場。兵庫県出身で、ご当所で挑んだ今場所だが悲願達成はならず、昨年初場所以来9度目の休場に終わった。
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