第95回選抜高校野球大会第2日(19日、甲子園)昨春の選抜大会に続き、審判団が判定ミスを認めて場内説明で謝罪する一幕があった。
第2試合の作新学院(栃木)-大分商戦。大分商の九回の攻撃で、1死一、二塁から打者の放った左飛で二塁を回った一塁走者が二塁ベースを踏まずに一塁に帰塁。この場面、作新学院側のアピールがないとアウトが成立しないが、先に後藤二塁塁審がアウトを宣告。一旦は試合終了と思われ、作新学院ナインも本塁付近に整列したが、審判団が協議後に再び守備位置に戻された。そして、改めて作新学院がボールを二塁に送球してアピールプレーが成立し、ゲームセットとなった。
直後に、野口球審は「正式にアピールがある前に、二塁アンパイアがアウトを宣告しました。大変申し訳ありません。新たにプレーを再開した上で、守備側がアピールしアウトとしました」と場内説明した。
ベースを踏み忘れた大分商・江口飛勇外野手(3年)は「自分の中で気持ちが先走って冷静な判断ができず、パニックになってしまった。みんなに申し訳ない」と涙。一方、遊撃で先発出場して最後はマウンドに上がっていた作新学院・磯圭太内野手(3年)は「一塁の斉藤が『アピールしてみよう』と。それがなかったら、打者と勝負して逆転されていた可能性もあった」と振り返り、小針崇宏監督(39)も「選手の方が冷静だった」と話した。
昨春の第94回選抜高校野球大会第2日(3月20日)の第1試合の広陵(広島)-敦賀気比(福井)戦でも、審判団が判定ミスを認めて場内放送で謝罪していた。広陵の四回の攻撃。無死一塁から送りバントを試みた打者の打球がファウルゾーンからイレギュラーバウンドでフェアゾーンに転がって止まった。しかし、この打球に対して、球審のフェアのジャッジよりも先に二塁塁審がファウルのジェスチャーをし、一塁走者の二進を止めることになった。ボールは一塁に転送されて打者走者はアウト、さらに一、二塁間の挟殺プレーで一塁走者もタッチアウト。一時は2死無走者となったが、4審判員で協議の結果、一塁走者のアウトを取り消し、1死二塁での再開を決めた。甲子園が騒然とする中、球審が場内アナウンスで「私たちの間違いでして、大変申し訳ございません」と謝罪していた。(東山貴実)
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