16日の準々決勝イタリア戦に勝利し、米フロリダ州マイアミへ渡った侍ジャパン。栗山英樹監督(61)は1次リーグ途中に多くの決断を下した。腰の張りを訴えた栗林良吏投手(26)=広島=と入れ替えを行い、10日の韓国戦で走塁中に右手小指を負傷した源田壮亮内野手(30)=西武=をチームに残すことも、難しい決断だったと推察できる。
指揮官はさまざまな思いが交錯し、源田の強い思いもくみ取ったという。
「源ちゃんのことに関しては、すべて終わったら、いろんな思いを話します。今は彼の命を懸けていく感じのプレーをぜひ皆さんに見てほしい。本当にいろんなことがあると思いますけども、やってくれると思います」
同戦の試合中に病院で診察を受けて右手小指骨折の診断を受けた。翌11日は薬指と小指を固定し、12日は薬指を自由にし、スローイングを再開。14日には打撃練習も行った。栗山監督は源田とは何度も対話を重ね、日の丸にかける思いを感じ取った。
「それは僕が言葉にするところでは今はないと思っています。ただ、源ちゃんの持っている魂が、必ず見ているファンの皆さんに伝わると僕は信じている。日本のチームに大きな貢献をしてくれると思っています」
16日のイタリア戦で実戦復帰。遊撃の守備では軽快な動きを見せ、8―2の七回1死一、三塁では内角高めの直球を引っ張り、右前適時打。右手小指がテーピングで厳重に固定されているが、バットを振り切った。試合後は「チームが勝てたことは一番です」と淡々と語った。
大谷、ダルビッシュ、吉田、ヌートバーとメジャー組がチームの中心を担う。侍ジャパンにとって替えの利かない守備力を誇る源田も間違いなくチームの根幹の選手だ。
「本当にいろんな方に協力してもらいながら治療しながら早く戻れました」と源田。米国の舞台でも日本で培った基本に忠実なスピード感あふれる守備で世界を驚かせるはずだ。(横山尚杜)
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