社会人野球東京大会が始まった。社会人野球、大学野球、それに高校野球を総じてくくってきた『アマチュア野球』とした中では、公式戦として最初の大会だ。
オープン戦、練習試合とは違い、実際に『優勝』が表彰されるだけに、参加チームは、首脳陣から先発など投手陣のローテーション的なスケジュールを伝えられ、ドラフト候補となる選手がフィールドに立つ場面は、各球団のスカウトが必ず視察する。
公式戦で力を発揮できるか、そこまでの調整力、さらには、会場のマウンドとの相性までも詳細にチェックされると考えられてきた。
「プロ野球の開幕よりも早いが、ドラフト会議前までをリミットとみれば、この大会でまず及第点を取れるスタートを切り、都市対抗予選、本選、そして社会人野球日本選手権の予選までがデータ収集の限度」
春から縁起が…ではないが、大卒2年目、高卒3年目となるドラフト解禁の選手にとっては、大事な春となる。
今回参加する投手では、最速152キロ右腕、TDK・権田琉成投手(23)=上田西高→明星大、最速151キロ右腕・森圭名投手(23)=富山第一高→青学大、昨夏都市対抗で活躍した右腕、トヨタ自動車・松本健吾投手(23)=東海大菅生高→亜大らが視線を集めることになる。
昨秋のドラフトで、社会人の指名投手は11人、その内、解禁年の対象者は7人と決して広い門ではなく、その内の最上位は、DeNA2位のトヨタ自動車・吉野光樹投手(24)=九州学院高→上武大=だった。
一年の計は元旦…ではないが、春先の好投がその秋での笑顔につながる第一歩にはなることは十分で、気持ちの入った投球が期待される。(アマチュア野球取材班・赤堀宏幸)