WBC日本代表強化合宿(21日、宮崎)これがJAPANの主砲だ!! 3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む日本代表が強化合宿の第2クール初日を迎えた。村上宗隆内野手(23)=ヤクルト=は、実戦的な投球練習「ライブBP」に登板したダルビッシュ有投手(36)=パドレス=と初対戦。中越えの本塁打を放ち、「公開処刑」と自虐的に言わせるなどメジャーを代表する右腕を脱帽させた。
美しい放物線を描いた白球が、中堅バックスクリーン下に消えた。村上が、今合宿で実戦形式の練習に初めて登板したダルビッシュから特大の一発。詰めかけた1万8356人の野球ファンを大きくどよめかせた。
「テレビで見ていた人なので、まさか自分が打席に立てるとは思っていなかった。強くてすごくいい球だったので、打てて良かった。思い出になりました」
令和初の三冠王は、メジャーで5度の球宴出場を誇る日米通算188勝の大投手との〝初対戦〟を夢見心地に振り返った。先頭で打席に立つと、1球目の内角低めを空振り。高めに外れた直球を見送り、3球目のスライダーを見逃して迎えた4球目。内角からストライクゾーンに入る「フロントドア」を狙ったツーシームが浮いたところを逃さず仕留め「昨日の夜から対策を練っていた」と胸を張った。
いきなりの一発に、ダルビッシュは「もう打った瞬間にいったと思った。こんなところで〝公開処刑〟されて、ちょっと悲しいです」と苦笑いを浮かべた。公衆の面前での屈辱を意味するネットの流行表現「公開処刑」を冗談めかして自虐的に使い、「真ん中高めに浮いたけど、あの球をそんな簡単にはメジャーの打者でも打てない。びっくりした。日本の選手の評価を変えられるような選手。集中したときは怖いというか、本物だと思いました」と、その実力を認めた。
さらに、互いの要望で〝おかわり〟の再戦も実現した。村上は2球目の外角からストライクゾーンに入るスライダー「バックドア」にバットを合わせ、巧みに左前へ流し打った。メジャーで主流の配球に本塁打と軽打で対応。チーム最年少野手は最年長右腕との攻防で、各国の剛腕と対戦するWBCでの爆発を予感させる好結果を残した。
「球を見られたことも野球人生で財産ですし、これから先につながると思う。すごくいい時間を過ごせた。これを生かせるようにしていきたい」。わずか6球、されど6球。憧れの侍エースから放った一発を足がかりに、日本の主砲が世界一への歩みを進める。(浜浦日向)
■見た目も学ぶ あくなき探求心をのぞかせた。対戦を終えた村上は、打席で本塁から少し離れて構えていることについてダルビッシュに印象をたずねた。「どういう風に見えているのかが気になったので。一流の投手は、どこに投げたらこうなるというのをイメージしながら投げられる。そういうのをすごく感じる方だと思うので聞きました」。結果だけでなく、貴重な機会を全て自分の力へと変える。