ヤクルト・内山壮真捕手(20)が7日、沖縄・浦添キャンプで行われたシートノックで初めて左翼の守備位置に就いた。高津臣吾監督(54)は「将来的に『打てる正捕手』にしたい。今は捕手として出るチャンスがないので、試合に出るチャンスをつくってあげたい」と出場機会を増やすためと説明。未来の正捕手候補は全体練習後に臨時コーチを務める元監督、古田敦也氏(57)による講義を受け、濃密な1日を過ごした。
見慣れない光景に球場がざわめいた。暖かな日差しの下、3年目の内山が外野手用のグラブを持って左翼へ走り出す。「お願いします!!」と大声を出し、シートノックで初めて外野を守った。
「緊張もあったのですが、何とか大きなエラーもなくできてよかった。一試合でも多く試合に出られるよう、外野でもいいので少しずつチャンスを増やしていきたい」
石川・星稜高1年夏、2年春夏の甲子園に遊撃手として出場した20歳は俊敏な動きを見せ、強肩も披露した。2年目の昨季は正捕手・中村に次ぐ74試合に出場し打率・232、4本塁打、19打点。オリックスとの日本シリーズ第2戦では3点を追う九回に代打で起死回生の同点弾を放った。長所の打力を生かすためにも外野手に初挑戦する。
『打てる正捕手』に育て上げる。昨オフ、外野挑戦を言い渡した高津監督は「壮真は将来、打てる正捕手にしたい。今は捕手として出るチャンスがないので、試合に出るチャンスをつくってあげたい」と明かした。チームの捕手には今年3月のWBCに選出された中村がおり、出場機会が限られる。外野手は中堅に塩見、右翼にサンタナがいるが、左翼は青木や山崎、丸山和らが争う状況。内山にも打席数を与えて経験を積ませる考えだ。
本職の捕手として〝古田イズム〟も吸収する。この日は全体練習後に室内練習場で古田臨時コーチによる講義が開催された。中村を除く捕手陣らと技術面や捕手像についての話を聞き、内山は「いい話を聞けた。レギュラーを取ることだけを目標に頑張りたい。打てる捕手が目標」と言い切った。将来の正捕手候補が、外野手との〝二刀流〟で飛躍の年にする。(森祥太郎)
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