強制送還を前に入管施設で待機する今村容疑者(右)と藤田容疑者。命を狙われると警戒したのか、防弾チョッキを着用して神妙な表情だった=7日、フィリピン・マニラ(フィリピン法務省提供、共同) 「ルフィ」日本へ! 各地で相次いだ広域強盗事件で「ルフィ」などと名乗って犯行を指示した疑いがあり、フィリピンで拘束されていた4人のうち今村磨人(きよと、38)、藤田聖也(としや、38)両容疑者が7日、日本へ強制送還された。警視庁は特殊詐欺事件に絡む窃盗容疑で逮捕。移送中は防弾チョッキを着用する場面もあり、物々しい雰囲気に包まれた。残る2人も日本時間9日に送還される方針が決定。事件の全容解明へ大きく動き出した。
成田空港に到着した藤田容疑者(手前左)はうつむきがち。奥に眼鏡をかけた今村容疑者も(撮影・萩原悠久人、画像の一部を処理)マニラから東京へ約3000キロ。「ルフィ」たちの移送劇が厳戒態勢の中で始まった。東京都狛江市の90歳女性殺害を含め数々の凶悪事件を〝指示〟したとされるメンバーの強制送還で、事件は大きな節目を迎えた。
狙撃されるのを警戒したのか…。早朝のマニラ。今村、藤田両容疑者は黒っぽいTシャツにハーフパンツというラフな格好に黒い防弾チョッキを着用して、収容されていた入管施設から出てきた。午前7時半(日本時間同8時半)頃、小銃を抱えた警察官らの車に先導されて車で空港へと向かった。
マニラの空港も厳戒態勢。詰めかけた報道陣の前は通らず、小銃を持った地元当局職員が警備する中、航空機下に乗り付けた車から直接タラップを上って機内に入った。2人ともうつむき加減。足元がふらつき、時折よろけそうになる場面もみられた。白いマスクを着け、うつろな表情からは内心がうかがえない。
約4時間のフライトを経て午後3時頃、成田空港に到着した。半袖半ズボン姿の2人は大勢の捜査員に囲まれながら、詰めかけた約200人の報道陣の前にさらされた。〝市中引き回し〟のようにゆっくりと歩き、一斉にフラッシュを浴びた。
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