ブルペンで投げるオリックス・宇田川優希=清武総合運動公園(撮影・薩摩嘉克) オリックス春季キャンプ(7日、宮崎)3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表に選出されているオリックス・宇田川優希投手(24)が、公表されている体重92キロではなく実際は100キロに到達していると明かした。中嶋聡監督(53)からは5日に厳しい言葉を受け取ったばかりで、食事会場で大好物のケーキを食べる姿も見られてしまった。ここから気持ちも体も引き締め、代表へ歩みを進める。
指揮官から「今のままじゃ使い物にならない」とハッパを受けてから2日。宇田川がダイエットへと踏み出す。侍戦士として注目されるからこそ、雨の宮崎で腹をくくった。
宇田川優希は本気でダイエット(撮影・薩摩嘉克)「トレーナーさんとの約束で腹八分目、八分目以上は食べるなと言われていて。『これは我慢しようね』みたいに言ってくれるので、いろんな人に助けられています」
184センチ、92キロが公表だが、実際には100キロまで到達していることも〝白状〟。一回り大きくなった体格と、調整不足の姿に、5日には指揮官からも苦言を呈されていた。トレーナーと話し合い、全体練習前のバイクのトレーニングなど運動量を増やしている。全体でのランニングメニュー以外にも真剣に取り組み「キャンプ中には3、4キロぐらい落として」と目標を掲げた。
つい先日、宿舎の食事会場で好物のケーキを手に取ったところを中嶋監督に見つかり、隠そうとする〝アクシデント〟もあったという。「おまえ知らねぇぞ」と言われたが「大丈夫です」と精いっぱいの返答をした。これまでとは異なる食生活に「苦しいです…。ストレスがたまります」と吐露するが、やるしかない。自身のためでもあり、日の丸のためだ。
第2クール初日のこの日は、今キャンプ5度目のブルペンに入った。指揮官が鋭い眼光で見守る中、25球。第1クールではWBC球のことを気にするあまり悩んでいたが「久々に気持ちよく投げれたので、そこはよかったのかな」と表情は晴れやかだった。
「あとは仕上げるだけなので、これから上がっていくんじゃないかなと思ってます」。育成から支配下にはい上がり、日本代表まで上りつめたのに、ケーキに足元をすくわれている場合ではない。周囲に支えられながら、甘くない戦いへと踏み出していく。(北池良輔)
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