【No Ball、No Life】
J1横浜FCからポルトガル2部・オリベイレンセへへ移籍した元日本代表FW三浦知良(55)が、公式戦出場へ着々と体を仕上げている。チームの公式ホームページでも元気にボールを蹴る姿を披露。2月1日に正式契約を結び、初の公式戦となった4日のリーグ戦、ビラフランケンセ戦はベンチ外になったものの、間もなくポルトガルのピッチに立つ日が来るだろう。
先月25日深夜、羽田空港からロンドン経由でポルトガルへ向かった。その際、カズは独特の言い回しでワクワク感を表現した。
「ポルトガルにはきれいな人がたくさんいる。フーテンとしては楽しみだね」
〝フーテン〟とはカズが愛してやまない、映画「男はつらいよ」の主人公、故・渥美清さんが演じる寅さんのこと車寅次郎。自身を「フーテンの寅」と呼び日本全国を旅しながら、その土地土地でマドンナと出会い、最後は振られるお決まりのどたばた喜劇。6、7年前から寅さんにどっぷりはまり「何度も見てる」とDVD全作をそろえたという。
昨年、日本フットボールリーグの鈴鹿ポイントゲッターズに移籍したカズは2月26日、現地で55歳の誕生日に会見。そこでは寅さんの衣装で登場し、会場を盛り上げた。カズは寅さんの魅力についてこう話した。
「旅先での出会いや、家族の絆、妹さんとの関係を大事にするところですかね。寅さんは人を上とか下とかに見ない。そこにひかれる」
そういえば、寅さんシリーズでも一度だけ海外ロケがあった。第41作「寅次郎心の旅路」はオーストリアのウィーンが舞台。マドンナは女優の竹下景子さんで、現地のツアーガイド役で主演した。これが縁でウィーンには「寅さん公園」なるものができ、寅さんの石碑が建立されているという。
カズの次の試合は、12日のポルトB戦(ホーム)。ブラジル、イタリア、クロアチア、オーストラリアに続く5カ国目でのプレーが見られるのか。楽しみに待ちたい。26日には56歳の誕生日を迎えるキング。そのうち、どこかの国に「カズさん公園」ができるかもしれない…。(宇賀神隆)
この記事をシェアする