米大リーグのキャンプインが、あと1週間に迫った。今年は3月に第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開催されるなど、シーズン前から大いに盛り上がることが予想されるが、連日米メディアで話題になっているのは、今季終了後にFAとなるエンゼルス大谷翔平投手(28)の去就先だ。
2日(日本時間3日)付のニューヨークポスト紙では春季キャンプで最も注目するストーリーとして二刀流の名前を挙げた。「エンゼルスは大谷との契約延長を試みるか? 契約できる可能性はあるか?」という見出しで「チームはもちろんトライする。大谷が西海岸でプレーすることを好んでいること。ある関係者によると、大谷はお金よりプレーする心地よさを重視。また、エンゼルスは大谷の望み通り二刀流でプレーさせ最高の選手だと証明した」と、前向きなポイントを説明。一方で「しかし、プレーオフ進出を毎年逃しているチームが大谷と早期に契約延長できる可能性はゼロだ」と伝えるなど、残留は難しいとの印象を与える記事だった。
大谷に関する記事やニュースで特徴的だと感じたのはこの移籍する可能性が高いという見方が多い点だ。4日(同5日)付の地元紙でも「エンゼルスは大谷が加入してから5年間全て勝つシーズンを送られていない」とチーム状況を指摘している。
また、アート・モレノ球団オーナーが、昨夏から検討していた球団売却を先月撤回。大谷との再契約交渉にどんな影響が出るかも注目されているが、ここでもエンゼルス残留の可能性は低いという見解が目立つ。
ニューヨークポスト紙はモレノ氏が経営を継続することで大谷が残留するチャンスを「そもそもあまりなかったが、さらに低くなった」とし、ライバルチームの関係者が「大谷がエンゼルスとして24年の開幕を迎える可能性はおよそ5%だ」と断言するコメントも紹介している。
さらに複数の米メディアでは大谷の新天地を特集。有力候補にはアマチュア時代から大谷を狙っているというドジャースや、財政面で上限がなく、ワールドシリーズ制覇を狙えるメッツなどの名前が挙がっている。
大谷本人はキャンプ地のアリゾナ州で調整中。チームは15日(同16日)にバッテリー組がキャンプイン予定で、昨年同様であれば早い段階で報道陣対応の可能性もある。今季開幕を前に大谷が、どんな発言をするか注目だ。(竹濱江利子通信員)
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