引退について記者会見する車いすテニス男子の国枝慎吾さん=7日、東京都江東区 2021年東京パラリンピックの金メダルや生涯グランドスラム獲得など多大な業績を残し、先月現役引退を発表した国枝慎吾さん(38)が7日、東京都内で引退会見を行い、「昨年、ウィンブルドン(の男子シングルスを)取って、本当にやり切ったという現役生活を送れた。最高の幸せ」と思いを語った。
競技生活で最高の思い出は東京パラリンピックでの金メダルとし、「東京(開催)が決まった2013年からの8年越しの夢がかなった瞬間は、今でも写真を見ると震えるような感覚になる。それだけ思いが詰まった金メダル。一番の集大成になった」とした。
パラリンピックでは、初めて出場した2004年アテネ大会でも男子ダブルスで金メダルを獲得したが、「当時は金メダルを取っても(新聞の)スポーツ欄に載らなかった。福祉として社会的意義があるものとして(メディアなどで)伝わっていた」。
車いすテニスをスポーツとして「こんなに面白い、予想以上にエキサイトするものだと伝えたい」と思い続け、世界のトップでプレーし続けてきた。それが東京大会後は「反響には僕自身、スポーツとして手応えがあった」と納得の表情を見せた。
今後の活動については「なんとなく、ぼんやり見えてきたが、まだ秘めておきたい」。それでも「現役時代から、車いすテニスがスポーツだと皆さんに知ってほしいというのが強くあった。そこの活動がこの後も続いていくのかなと感じている」と話した。
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