師匠の言葉に熱心に耳を傾け、必死にバットを振り込んでいる。ロッテのドラフト5位・金田優太内野手(17)=埼玉・浦和学院高=は、沖縄・石垣島キャンプで、内田順三臨時コーチ(75)の指導を受け、得意の打撃に磨きをかける。
石垣島キャンプは5日に第1クールが終了。17歳の左打者は「いまのところすごく順調かなと思います」と充実した日々を過ごしている。キャンプでは〝内田道場〟に入門中だ。
埼玉・浦和学院高出身で、183センチの大型遊撃手。4強入りした3年春の甲子園大会では17打数11安打を放った。秀でたバットコントロールと勝負強さの持ち主だ。自慢の打撃をさらに向上へ。金田は「内田さんに右肩が入り過ぎないようにと、ここ(石垣島)に来てから教わっている。修正方法も教えていただいた」。投手側の右肩が内側に入り過ぎると、バットが出にくくなり、速球に対して差し込まれてしまう。
ティー打撃で打ち込むロッテ・金田優太(中央)そのため、癖を直そうと、一般的にティー打撃は斜め前方からトスされたボールを打ち返すが、金田は背中側からトスされた球を繰り返して打ち続けている。背後からのトスは「右肩が入ってしまうと、ボールが見えなくなる」といい、内田氏が描く理想のフォームに近づく。
臨時コーチ就任時に「マリーンズには将来有望な若い選手がたくさんいる。そんな選手たちに少しでもこれまでの経験を伝えることができればと思っています」と語っていた内田氏。現役時代はヤクルトで〝小さな大打者〟と呼ばれた若松勉氏とともに、当時コーチだった中西太氏の打撃理論を学んだ。〝中西道場〟と呼ばれるほどの猛練習に耐えながら、下半身主導でバットを体の内側から出すスイングを目指した。現役引退後は打撃コーチとして、広島で前田智徳、巨人で阿部慎之助らを指導した。今年からロッテの臨時コーチに就任し、金田ら若手を見ている。
5日のフリー打撃では38スイング中2本の柵越えをマークするなどバットの芯にしっかりミートした鋭い打球を連発している。鍛錬の成果を示し「力をマックスに使うというよりは、ボールに当たるまでを意識してやっている」と汗を拭った。
昨季は4選手が交代でスタメンに名を連ねるなど固定できていない遊撃。「まずはけがなく、体づくりをする。その中で1軍出場という目標を立てています」と意気込む金田が遊撃争いに割って入るかもしれない。(武田千怜)
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