米グラミー賞の授賞式でスピーチする宅見さん。天国の西城さんもおいの快挙を喜んでいるに違いない=米ロサンゼルス(AP) 米音楽界最高の栄誉とされる「第65回グラミー賞」の発表・授賞式が5日(日本時間6日)、米ロサンゼルスで開催され、作編曲家の宅見将典さん(44)のアルバム「SAKURA」が最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した。2018年に死去した歌手、西城秀樹さん(享年63)のおいで、初のグラミー賞獲得。「プロデューサーや家族に感謝したい」と頬を紅潮させた。
5日、グラミー賞の最優秀グローバル・ミュージック・アルバム賞を受賞した宅見将典さん=米ロサンゼルス(ロイター=共同)日本が誇る大スター、ヒデキの〝音楽遺伝子〟が世界でも認められた。
初のグラミー賞に輝いた宅見さんは大阪府出身で、西城さんのおい。授賞式にはタイトルにちなんだ桜の刺しゅうが入った黒のジャケット姿で登壇し、「私がグラミー賞に選ばれるとは、何が起きたのでしょうか。プロデューサーや家族に感謝したい」と驚きと喜びをあふれさせた。
同賞は世界の民族音楽が対象で、受賞作「SAKURA」はマサ・タクミ名義で発表。日本の伝統楽器の箏や三味線を中心に二胡なども取り入れ、桜の花の美しさやはかなさを表現した。
日本ではプロデューサーとしてEXILE、AAAらの曲を手掛けた実力派。昨年9月にラジオ番組に出演した際、母の弟だった西城さんについてトーク。自身が生まれたときからすでに国民的アイドルであり、「不思議なレアキャラで、家族の中に光っている人がいると思った」と説明。宅見さんは、中学2年のときに西城さんのオファーを受けて叔父のライブに出演。以降、公演に同行するようになり、世界基準の才能を開花させた。
今回のグラミー賞では日本勢が躍進。ドラマーでパーカッショニストの小川慶太さん(40)が参加するバンド、スナーキー・パピーの作品「Empire Central」が最優秀コンテンポラリー・インストゥルメンタル・アルバム賞を受賞した。同バンドの受賞は2017、21年に続き2年ぶり3度目で、小川さんはMISIA(44)や東方神起などの作品に参加している。
また、米女性歌手、ビヨンセ(41)が最優秀ダンス・レコーディング賞など4賞を獲得。通算受賞数を計32とし、歴代トップとなった。主要4部門のうち、最優秀アルバム賞には英歌手、ハリー・スタイルズ(29)の「ハリーズ・ハウス」が選ばれた。最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞の候補になっていた韓国の人気グループ、BTSは同賞の受賞を逃した。
★DAIGOもDAI語で大興奮 宅見さんの楽曲を歌うアーティストたちも快挙を祝福。DA PUMPのISSA(44)はコメントを発表し、「『P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル~』の楽曲を提供していただいた宅見将典さんが受賞されたこと本当に嬉しい限りです! この作品のミュージックビデオはニューヨークで撮影し、僕らの思い出の1曲です!」と胸を張った。DAIGO(44)はツイッターにツーショット写真を掲載し、「TGM!!宅見グラミーマサ!!!20年の付き合い!」とDAI語で興奮した。
■宅見 将典(たくみ・まさのり) 1978(昭和53)年11月14日生まれ、44歳。大阪市出身。バンド活動を経て作曲やプロデュースを手がける。ドラムやギター、ベース、ピアノを演奏し、作風はダンスミュージックやJポップなど幅広い。日本ではEXILEやDA PUMPら数多くのミュージシャンに楽曲を提供し、2013年には韓国女性グループ、KARAの「サンキュー サマーラブ」がヒットした。
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