ロングヘアをなびかせ、夜明け前に動き出した。キャンプイン4日前に入団が決まったロッテ・沢村拓一投手(34)=前レッドソックス=が5日、沖縄・石垣島キャンプの練習に合流。午前6時半にトレーニングを始める〝超アーリーワーク〟で始動した。
「きょうは6時半からやってました。基本は6時から。本当はもうちょっと早くからやりたい。朝、トレーニングをすることによって一日の時間を有効的に使える」
宮崎キャンプで午前7時から早朝練習「アーリーワーク」を行う古巣の巨人よりも早いスタートだ。この日の石垣島の日の出は午前7時23分。一部の選手が8時過ぎから行う早出練習よりも早く、一人で汗を流した。「技術練習をやり、体が疲労した後に(筋力)トレーニングをするのは効率的ではない」との考えで、米挑戦前から続けるルーティンだという。
ひと汗流し終えた9時半から全体練習へ。長い髪を後ろに束ねてグラウンドに入ると、最大約80メートルまで距離を伸ばしたキャッチボールや投内連係などに参加。NPB使用球の感覚を確かめながら軽めに調整した。3年ぶりの古巣復帰で、安田や美馬らと談笑する場面もあり「和気あいあいとする中でも厳しさのある練習ができた」。充実した表情を浮かべ、正午前には球場を後にした。
〝沢村流〟を貫き、早朝から汗を流す右腕に、吉井監督は「そういう姿を見て、若い子がどう感じるかが楽しみです。(ロングヘアは)かっこいいです」とにやり。ベテランの目的を持った練習が、若い選手の指針になることを期待した。
昨季5位に沈んだチームで中継ぎの柱としての活躍が求められる。開幕に向けて「しっかり自分の体を見ながら、準備していきたい」。2005年以来18年ぶりのリーグ優勝へ、行動でチームを刺激する。(武田千怜)
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