【甘口辛口】5つのコアバリューすべてが欠落していた日野自動車ラグビー部 ラグビーへの情熱を思い出し出直してもらいたい ■2月6日 『ラグビー憲章』は選手、指導者、レフェリーらラグビーに関わるすべての人々に共通する基本原則で09年にワールドラグビーが制定した。その中で「品位」「情熱」「結束」「規律」「尊重」の5つがラグビーの価値を高めるコアバリューとされているが、リーグワン2部の日野自動車ラグビー部にはそのすべてが欠落していた。
昨年10月31日夜、大分県別府市で合宿中の選手23人とスタッフ1人が飲食店を訪れ酔って服を脱いだり女性店員の体を触ったり、グラスや備品を壊した。一部週刊誌によると店から300万円請求され支払いを済ませたが、リーグへ報告したのは1月28日。週刊誌報道がなければ隠し通すつもりだったのか。
それだけ選手がいて「バカ騒ぎはやめろ」と止める声はなかったのか。品位はもちろん結束も規律もない。店員からチーム名を聞かれ本拠地も近い「三菱重工相模原」の名をかたったというから質が悪い。他チームの尊重などかけらもない。店からの連絡で驚いた三菱が日野に抗議したという。
あるラグビー関係者は指摘する。「社会人ラグビーはプロ化が進んでいるとはいえラグビーだけやっていればいい選手と、社員として仕事と両立させている選手が混在するチームが多い。中途半端なプロ化はチームの結束や規律という面で問題があり不祥事の遠因ではないか」。日野は4日に予定されていた試合を辞退し無期限活動停止を決めた。
5つのコアバリューが全部欠けてはラグビーをやる資格もないとの厳しい声も聞いたが、日野市内のイベント参加や子供たちのラグビー教室などで地域貢献している。ラグビーへの情熱を思い出し出直してもらいたいものだ。(今村忠)
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