連覇を果たし、喜ぶロコ・ソラーレの選手とスタッフ。手前左から石崎、吉田知、鈴木、吉田夕、藤沢(ⓒJCA IDE) カーリング・日本選手権最終日(5日、アドヴィックス常呂カーリングホール)決勝が行われ、女子は北京冬季五輪銀メダルのロコ・ソラーレが、SC軽井沢クラブを7-5で下し、2年連続4度目の優勝を果たした。第1エンドから3エンド連続得点で4点を先行。その後も後攻で着実に点を重ね、逃げ切った。ロコ・ソラーレは3月の世界選手権(スウェーデン)の出場権を獲得。SC軽井沢クは初優勝を逃した。
7-5で迎えた最終第10エンド。スキップ藤沢五月が相手のストーンを弾き出して連覇を決めると、ロコ・ソラーレの4人は抱き合って喜んだ。
「私たちらしく笑顔で戦い切れたのが勝てた要因。リードしていても、緊張感を持ってポジティブに最後までできた」
藤沢が胸を張る、圧巻の試合運びだった。第2、第3エンドで連続スチール。4-0とした。ストーンが滑らない重たいアイスに変化した後半も落ち着いて対処。相手を寄せ付けなかった。
「勝つことを目標にすると絶対に終わりが来る。成長を目標にしている」とサード吉田知那美。銀メダルをつかんだ昨年の北京五輪から1年。同じ4人でハードスケジュールに挑み、さらに力をつけてきた。昨年9月にカナダへ渡り、同11月のパンコンチネンタル選手権で優勝。先月中旬に開催のワールドツアー最高峰、グランドスラム大会「カナディアン・オープン」では、アジア勢初制覇を成し遂げた。
快挙から2週間もたたずに今大会が開幕。過去10年の日本選手権前は、カナダと日本のアイスの違いに対応するため、必ず2週間以上の合宿を組んでいた。今回は1週間しかない中、カナダで次戦の準備もしながらの参戦。調整は万全でなく、1次リーグでは2敗を喫したが、底力を見せた。
1次リーグ第3戦で藤沢、第5戦で鈴木が転倒して笑いを誘うなど、地元・北見市開催の大会でも主役を担った4人。セカンド鈴木夕湖は「みんなでコミュニケーションを取りまくった。もう、ばばあなので。お話得意なので」と笑った。リード吉田夕梨花が29歳、ほか3人は31歳。経験を積み上げ、3月の世界選手権に挑む。出場は銀メダルを獲得した2016年大会以来、7年ぶり2度目。20年はコロナ禍で中止、22年は北京五輪代表に選ばれたことで、ともに出場できなかった。
「7年前より若さはないが、それ以上に経験がある。成長を見せたい」と藤沢。今度こそ、世界一の頂にたどり着く。
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