ブルペンで投球練習する西勇。投手陣の最高の手本になっている(撮影・松永渉平) ここまでのブルペンで目を引くのが西勇の存在だ。一球一球、すべて計算しながら投げている。たまたまではなく、中身を重視するスタイル。完成された調整法に、コンスタントに長く活躍できる秘訣を見る思いだ。コンスタントに好成績を残すことが、プロ野球人にとってもっと重要。それは投手、野手に限らない。
私自身、22勝したシーズンはあるが、長く好成績を残すという点では、彼に及ばない。この日、話す時間があったので、尊敬していると伝えた。私が背負ったタテジマ16番の後輩でもあり、思い入れも強い。
若い投手にとっては、最高のお手本ではないか。調整法もそうだし、取り組む姿勢もそう。黙々と練習する姿は、キャプテンとかいう肩書はなくても、十分にリーダーに値する。後輩は見て学べる最高の材料が身近にある。
自身は最初にブルペンに入って41球を投げ、別の練習をしていたであろうが、最後まで西純が投げていると、ブルペンに戻って、じっと後輩の投球を見守っていた。チーム最年長になったと聞いた。自覚もあるのだろう。お世辞抜きに超ハイレベルの投手陣を引っ張ってもらいたい。(サンケイスポーツ専属評論家)
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