フリー打撃に臨んだ山田。全体練習後には室内で約1時間、バットを振り続けた(撮影・今野顕) ヤクルト春季キャンプ(5日、沖縄・浦添)振り込みの春!! ヤクルトが5日、沖縄・浦添キャンプの第2クールをスタート。3月に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表に選出されている山田哲人内野手(30)は全体練習後、室内で約1時間の打撃練習を行い、再起への決意をにじませた。
浦添に降り注いだ陽光で額の汗が光った。山田は全体練習を終えた後、さらに室内練習場で1時間に及ぶ打撃練習を行った。休養日を挟んで迎えた第2クール初日。「量をこなす」と宣言していた通りの徹底的な振り込みで〝再起〟を図った。
「レベルアップするためにどんどんバットを振っていきたいし、本当に活躍したいと思っているので。調整というよりは、ひたすら振って個人の成績を上げたい」
強い決意の表れだ。昨季は主将としてリーグ連覇を達成したチームの先頭に立ったが打率・243、23本塁打、65打点。悔しい数字が並び、優勝が決まった際には思わず涙を流した。「何とか打破したいというか、すごく悩んでいた。たくさん練習して少しでも不安をなくそうというか、メンタル的な部分でもスッキリさせたいので続けようと思う」と、振り込みの継続を誓った。
振り込むからこそ気付いたことがある。このオフは、体重移動の際に「割れ」(ステップ時の上半身と下半身の開き)をつくり、バットに力を伝えるため足幅を肩幅ほどに狭め、かかとを上げる新たな打撃フォームに挑戦していた。
だが「新フォームとか言っていて恥ずかしいですけど、この4、5日で終わりました」と衝撃発言。確かにこの日は、足をほぼ地面につけ、足幅もやや広げたフォームで臨んだ。
とはいえ、その「4、5日」が無駄だったというわけではない。つかんだものがあったのか、室内練習場から「やっと分かった!」という声が漏れたほど。「振っていくうちに感じるものがあった。『あ、これだ』というのが見つかったので、本当にいい練習に取り組めている。イメージと思考と行動が一致してきているのかなと。いい方向に向かっている」と真意を明かした。
まさに〝新フォーム・改〟。WBCでも主軸の一人として期待される中、大目標の世界一と日本一をつかむため、山田は貪欲にバットを振り続ける。(赤尾裕希)
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