中日のブルペンを支えるセットアッパー・藤嶋健人投手(24)は、今季「よろずや」をキャッチフレーズに掲げて腕を振り続ける。
1軍北谷キャンプでは「今年は毎日ブルペンに入ろうと思ってやっている」と、連日精力的に投げて、元気をアピールしている。
「どこでも任せてもらえるような『よろずや』として、調子を保っていかないといけない。そこをできるようにキャンプでやっていきます」
「よろずや」とは古風な響きだが、要は何でも取り扱っている店、何でも屋のこと。「『便利屋』より、なんとなくかっこいいでしょ。そういうイメージで頑張りたい」と笑った。
昨季は自己最多の50試合に登板し、2勝1敗10ホールド、防御率2・13。どんな状況、場面でも労をいとわず投げた。
勝ちパターンで抑えにつなぐ中継ぎのほか、先発投手の早期降板による緊急登板のロングリリーフや大きく点差をつけられた敗色濃厚の試合もこなした。さらに7月1日の阪神戦(バンテリンドーム)では大野雄が試合前の練習で背中の張りを訴え先発回避。代役として4季ぶりに先発マウンドに立ち、3回を1安打無失点で勝利に貢献した。
もちろんどんな場面でもマウンドに立って役割を果たすのは簡単なことではない。藤嶋のいう「よろずや」には、いつ登板を言い渡されても対応できるよう、早く肩を作ることのできる器用さが求められる。いつでもどこでも行けるように準備を整える練習も必要で、今キャンプのブルペンでは「シーズン中と同じような感じで、試合前の『作り』と実戦に分けて投げている」と、試合中のスタンバイを想定した練習も行っている。
今季も「チームにいい流れを持ってこれるようなピッチングができるように」と理想を掲げる。緊急出動してピンチをしのいだときに出る、気合の入ったガッツポーズを何度もみたい。(上阪正人)
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