■2月5日 「2月1日はプロ野球関係者にとって正月」-。誰が言ったか知らないが、昔からの〝格言〟だ。しかし今年は西武が違う流れを作った。3月にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)があり、開幕が遅れることから、「2・6」に宮崎・南郷と高知でキャンプに突入する。
しかも〝後の先〟を選んだにもかかわらず、打ち上げは23日という異例の短期間。ロッテは1、2軍を区別せずに〝新年〟を迎えた。一方で、いきなりの紅白戦で日本ハムの、その日は始まった。松井監督、吉井監督に新庄監督…。共通点はメジャー経験者。球界に新しい風の予感だ。
それならば、オフの自主トレ形態を議論してもらえないだろうか。ここ数年、他球団との交流が目立つ。例えば球団の枠を越えて捕手が集まる。主力打者に若手が教えを乞う。投手も然り。誤解を招きかねない昨今のブームに違和感を覚えるばかり。
ソフトバンク・柳田と自主トレを行った阪神・佐藤輝の打ち方に岡田監督から苦言が飛んだ。中日・立浪監督はWBC日本代表の高橋宏を見て「全部一緒にしようとするとおかしくなる」と語った。オリックス・山本の影響を受けたフォーム改造を不安視した。もっとも選手にとって自軍に信頼できる同僚がいないという裏返しとも言えるが…。
12月からの2カ月間、指導などを禁じた野球協約第173条を改正すべし、とまでは言わない。公式戦で相手選手との談笑を抑止するのなら、寝食を共にすることもある〝越境自主トレ〟の放置はいかがなものか。他球団との接触禁止-。協約がある以上、拘束力は確かにない。でも誰かが一石を投じてほしい。そんな要望を出す指揮官の登場が待ち遠しい。(稲見誠)
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