優勝トロフィーを手にする大栄翔(撮影・戸加里真司) 「第47回日本大相撲トーナメント」(5日、両国国技館、主催・フジテレビ、後援・日本相撲協会、産経新聞、サンケイスポーツ、文化放送)コロナ禍の影響で3年ぶりの開催となり、西前頭筆頭の大栄翔(29)が幕内トーナメント戦決勝で関脇豊昇龍(23)を突き出して初優勝。優勝賞金250万円などを獲得した。豊昇龍は敢闘賞を受賞した。大栄翔は1月の初場所で10勝5敗。3月の春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)では三役復帰が確実とみられ、さらに弾みがついた。十両は北の若(22)が制した。
大栄翔(右)は、豊昇龍を突き出して初優勝を決めた(撮影・戸加里真司)記者の囲み取材に笑顔で応じる(左から)優勝した大栄翔、敢闘賞の豊昇龍(撮影・戸加里真司)組んでよし、離れてよし。本場所では突き押しに徹する大栄翔が、一発勝負のトーナメント戦で四つ相撲のポテンシャルを見せつけた。決勝は持ち前の突進力で突き出したが、3回戦では出場力士の番付最高位となる大関貴景勝を寄り切り、準々決勝では東龍をつり出した。
「(四つ身は)たまたま。もっと突き押しを強くしたい」
貴景勝との本場所の対戦は、令和3年名古屋場所から8連敗中。「大関に久しぶりに勝った。(出場力士で)一番強い人に勝ったから優勝しないと、と思った」。苦手意識を払拭する、臨床心理学でいわれる「リソース・アンカー」の効果をもたらすかもしれない。
平幕力士の優勝は平成30年大会の栃ノ心以来だが、2年前の初場所では賜杯を抱いた実力者。春場所では2場所ぶりの三役返り咲きが濃厚で、すでに相撲を取る稽古も再開している。優勝賞金250万円は、所属する追手風部屋の「若い子たちとご飯を食べに行こうと思う」。頼もしい太っ腹な先輩の顔になった。(奥村展也)
この記事をシェアする