第44回ヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞した倍賞千恵子=横浜市内 女優、倍賞千恵子(81)が映画「PLAN 75」(早川千絵監督)で第44回ヨコハマ映画祭の主演女優賞を受賞し、5日、横浜市内で行われた授賞式に出席した。
同作は少子高齢化の社会問題を解決するため、満75歳から生死を選択する制度が施行された近未来の日本が舞台。倍賞はひとり暮らしで職を失った78歳のミチ役で、制度の申請を検討する役どころだ。
倍賞にとっては9年ぶりの主演作。昨年の第75回カンヌ国際映画祭では新人監督に与えられるカメラ・ドール特別表彰を受賞した。映画「男はつらいよ」シリーズのさくら役で知られる倍賞は、「ミチという新しい名前を得たと考えています」と代表作が増えたことを喜んだ。
この日は司会者のリクエストに応える形で、劇中で歌う「林檎の樹の下で」の一節をアカペラで披露。もともとは米国の楽曲で、日本では1937年にディック・ミネが日本語訳で歌って有名になり、倍賞もお気に入りの楽曲だ。「よくお風呂場で発声練習をして歌っています」と明かし、ムードあふれる歌声で観客を魅了。歌唱後は上機嫌で「イェーイ」とささやくと、会場は大歓声に包まれていた。
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