記者団の取材に臨む岸田首相。左は荒井勝喜秘書官=2022年11月、首相官邸 岸田文雄首相は4日、LGBTなど性的少数者に対する差別発言をした荒井勝喜秘書官を更迭する意向を表明した。荒井氏の発言を「政府の方針とは全く相いれないものであり、言語道断だ」と非難。記者団から荒井氏を辞めさせる意向かと問われ「そう受け止めている。至急、具体的な対応を考える。進退をも考えざるを得ない発言だ」と答えた。野党は政権内の人権感覚が欠如しているとして、首相の任命責任を追及する方針だ。
首相は「厳しく対応せざるを得ない」と公邸で語った。続投させれば、政権の人権軽視の姿勢と取られかねず、2023年度予算案の国会審議にも影響すると判断したとみられる。内閣支持率の低迷が続く政権に打撃となるのは必至だ。
荒井氏は経済産業省出身。21年10月の岸田政権発足に伴い、同省商務情報政策局長から秘書官に就任した。3日夜、記者団の非公式取材に官邸で応じた際、性的少数者や同性婚の在り方などを巡り「隣に住んでいたら嫌だ。見るのも嫌だ」と述べた。同性婚が導入された場合は「国を捨てる人、この国にいたくないと言って反対する人は結構いる」とも発言。その後、発言を撤回した上で、謝罪していた。
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