入寮時にクマのプーさんのぬいぐるみを持ち込んだヤクルトのD5位・北村恵吾 ヤクルトのD5位・北村恵吾内野手(22)=中大=が、D1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=とともに春季キャンプ1軍メンバー入りを果たした。目標の開幕1軍入りを目指し、充実の汗を流している。
北村は滋賀・近江高から中大を経てD5位で入団。長打力と勝負強さが魅力の右投げ右打ち内野手で、大学時代は牧(現・DeNA)と2年間同部屋で過ごした。
牧との思い出深い出来事は大学2年のこと。秋季リーグ戦で結果を残せず、部屋で一人涙を流していた時だった。当時4年で主将を務めていた牧が励ましてくれた。
「寄り添ってくださって、『ここからもう一回踏ん張って頑張ろう』と声をかけていただいた。ずっと心に残っています」
苦しい時こそ、前を向いてもう一度進む。「野球選手としても、一人の人間としても、ああいう懐の大きい、器の大きい人間になれたらいいなと思います」。野球の実力はもちろん、人間性でも背中を追い続けてきた。
先輩に続いてプロ入りを果たし、埼玉・戸田市の寮に入寮した際には、約1メートルの大きなプーさんのぬいぐるみを持参して驚かせた。高校入学時に両親からプレゼントされた大切な相棒。2017年に首位打者を獲得するなどDeNAの主軸として活躍する宮崎は〝ハマのプーさん〟の愛称で親しまれる。北村も、宮崎ばりの活躍でいずれは〝燕のプーさん〟へ。「そう呼ばれるように頑張りたいと思います」とはにかんだ。
尊敬する牧は、3月に行われるWBC日本代表に選出された。「あの若さで本当にすごい。自分はまだ野球人生の中で日本代表のユニホームを着たことが一度もない。プロ野球選手になって、代表を背負うような選手になれたら」。憧れの存在を胸に、燕のプーさんへと成長する。(箭内桃子)
この記事をシェアする