宮崎のソフトバンクキャンプを訪問した小早川毅彦氏(本人ツイッターより) 待ちに待ったキャンプ取材が始まった。初日に向かったのは、宮崎市生目の杜運動公園のソフトバンク。天候に恵まれた上に、観客や報道陣に加えてあいさつに訪れる関係者も多く、初日らしい雰囲気だった。
新型コロナウイルスの感染予防策で、昨年まで練習はスタンドから見るしかなかったが、今年はグラウンドの一角に球団OBや評論家用のスペースが設けられ、窓越しにグラウンドが見える部屋も用意されていた。
球場内の通路で首脳陣や選手とすれ違うことがあれば、距離を取ってのあいさつ程度は可能。球場の出口で私と同じ広島市出身の柳田を見かけたので「ギータ!」と呼び掛けると「今年もよろしくお願いします」と元気な声が返ってきた。取材は例年通り密を避けるよう工夫されているものの、球場内外での規制やルールは一昨年より昨年、昨年より今年と、少しずつコロナ以前に戻ってきたことを実感した。
チームは大補強を行っただけあって新戦力が目立つ。投手は有原(前レンジャーズ3A)、オスナ(前ロッテ)、ガンケル(前阪神)、野手は近藤(前日本ハム)、嶺井(前DeNA)、アストゥディーヨ(前マーリンズ)、ホーキンス(前米独立リーグ)ら。しかも、新戦力は一部の新人を除いて主力組(A班)で汗を流している。
野手はスイングを見る限り、3月のWBCに出場する甲斐、近藤、周東が例年より早く仕上げてきた印象を受けた。投手は昨季11勝の千賀がメッツへ移籍したが、エースが抜けたというより、ローテーション投手が1人減った程度の感覚。誰か1人で穴を埋めるのは無理でも、何人かで埋められそうな層の厚さだ。
ソフトバンクはパ・リーグで唯一、上積みがあるチームといっていい。他の5球団は現状維持かマイナス。その差を埋めるためにキャンプでチーム力をどう上げていくのか見ていきたい。
社会生活での規制も緩和傾向とはいえ、コロナの新規感染者はまだまだ多い。「百里を行く者は九十を半ばとす」ということわざもあるように、気を緩めないでキャンプ地を回るつもりだ。(本紙専属評論家)
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