――師匠、東京湾のLT(ライトタックル)アジが相変わらず絶好調のようですね。
「おお、昨年末頃にいったん神奈川県側がやや低調な時期もあったんだが、千葉県側の木更津沖周辺に新たな釣り場も“開拓”され、その後は神奈川県側も復調、相変わらず束釣り(100匹以上)が連発している」
――そのほとんどが例の“金アジ”らしいですね。
「ああ、今やすっかり東京湾のブランド魚として認知されるようになった“金アジ”だな」
――あのアジ、ほとんど1年中脂がありますよね。それも15、16センチの小型でも。それってすごくないですか。
「確かにな。ほぼ周年、脂が抜けることがないものな。この間、会社の後輩が2束釣りをしてきて、干物を作ってくれたんだが、実にうまかった。それもサイズは17、18センチの小型で頭を取って干したモノだから、見た目はパッとしないんだが、食べたら絶品!彼は、凝り性で干物の作り方がうまいということもあるんだが、干物は素材が良くなければ絶対にうまくはならないからな」
――そういえば、この間、父が言っていたんですが、木更津沖のアジは全般にサイズが小さいそうですね。
「ああ、場所にもよるので一概には言えないが、相対的には神奈川県側よりも中・小型が多いようだな」
――でも、干物を作るならあまり大きなサイズよりも素人には中・小型の方が作りやすいですよね。
「確かにそうだな。今の時期なら天気のいい日に天日干しすれば、中・小型なら一日干しただけでうまい干物ができるからな」
――師匠、干物用のアジ、釣りに行きましょうよ。アジの干物って冷凍保存も効きますよね。
「ああ、キッチリとパックして冷凍しておけば、2カ月や3カ月経ってもほとんど味は変わらない」
――私、干物にしたアジの身をバラバラにして、瓶詰めにしたのをお友達にあげたら大喜びされたのが忘れられなくて、また作ってみようと思っているんですよ。
「おお、干物の瓶詰めは、商品化もされているからな。今の時期なら簡単には傷まないからジャストタイミングかもしれんな」
――ですよね。行きましょうよ。師匠の友達の浦安の船宿さんが、毎日のように木更津沖で束釣りしているって父が言っていましたよ。
「ああ、確かにな。ガッチリ防寒着を着込んで行ってみるか」
――ええ、行きましょう。父も誘ってみますね。
「おお、分かった。船宿に電話しておく」
――はい。よろしくお願いします。
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