新打法で快音を連発した山田。WBCに向けて超速で仕上げている ヤクルト春季キャンプ(1日、沖縄・浦添)山田哲人内野手(30)は構えた際の足幅を狭めた新フォームを披露。3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、燕の侍が準備を進める。
浦添の日差しと風を受け、心地良くバットを振った。山田が村上とともに昼食時間の特打を行い、新打撃フォームを初披露。ファンがスマホ片手に見入る中、足幅を狭め、背筋を伸ばした新打法で64スイングし、快音を響かせた。
「タイミングの取り方だったり、体重の移動でしっくりくる部分があった。外で打っていなかったので、若干不安はあったけど、いい方向だったなと思える感じがしたのでよかった」
構えた際に足幅はキュッと、背筋はピンと、かかとはフワッとだ。昨季は打率・243、23本塁打、65打点に終わり、オフシーズンに自身の打撃フォームを見つめ直し、試行錯誤。体重移動の際に「割れ」(ステップ時の上半身と下半身の開き)をつくり、打球に力を伝えるため、足幅を肩幅ほどに狭めるフォームを試すことを決断した。
新型コロナウイルスの感染対策が緩和され、入場制限が撤廃。ヤクルトファンが練習にかぶりついた新フォームでは背筋はしっかりと伸びていた。タイミングの取り方などを理想に近づける過程で「自然にああなった」と説明。さらに、左足のかかとは地面から浮いており「体重移動がしやすいというか、体重も右足に乗るし、スムーズにいくのかなと思って」と今後もベストな形を模索する。
過去最速クラスの仕上がりだ。3月の第5回WBCの日本代表に選出されている山田は高津監督に志願し、今季初実戦となる12日のDeNAとの練習試合(浦添)に出場予定。例年2月下旬から初実戦に臨んでいるだけに異例の早さといえる。
「(新たな打撃フォームの)方向性があっているのかの確認とか、打撃投手だけでは分からないことがあるので早く実戦はしたい。レベルアップを優先的にという意識でやりたい」と狙いを明かした山田。WBC後には球団初のリーグ3連覇と日本一奪還を懸けたシーズンが控える。〝シン・山田哲人〟で、いざ世界一と日本一を目指す。(赤尾裕希)