関東各エリアでスルメイカ&ヤリイカが釣れ出した。潮流が程よい日にはトップ50尾以上の釣果となっている。ズッシリと重みのある引き。スルメイカの多点掛けに成功した時、竿を持つ腕の筋肉がプルプルと震える。必死で竿を抱えながらも顔は満面の笑顔だ。そんなスルメ&ヤリイカ釣りを楽しみに千葉県鋸南町・安房勝山『萬栄丸』を訪れた。
◆初心者でも安心
取材日の勝山港の朝の気温は大寒波の影響でマイナス4度。それでも12人のお客さんでにぎわっていた。この日は有り難いことに中乗りさんは2人体制でオマツリほどきに奮戦してくれた。『萬栄丸』はイカ釣り初心者でも安心して乗船できる。
◆1投目からダブル
6時出船。航程40分、松井大船長の操船で洲崎を少し回り込んだ平砂浦沖のポイントに到着。水深125~140メートルでスタート。18センチヅノ12本の直結仕掛けの私には1投目からスルメイカのダブルがきた。
が、ブランコ仕掛けの人にはサバの猛攻だ。やはり朝は直結仕掛けが有利だ。サバを避けるため水深200~215メートルのポイントに移動。ここで派手な多点掛けはないものの、投入の度に1尾、2尾と釣れてきた。
9時頃になってヤリイカが交じり始めたので、14センチヅノ12本の直結仕掛けに変更すると、いきなりスルメイカの5点掛けを達成した。左腕の上腕二頭筋に乳酸がたまるほどの重量感。これぞスルメイカ釣りのだいご味だ。
その後、表層の潮流が速くなり、いわゆる二枚潮がきつくなった。数は伸び悩んだが、中乗りさんがオマツリの度に飛んできてくれる。仕掛けのロスも少なく、快適にイカ釣りを楽しむことができた。
終盤の流しには大型ヤリイカの3点掛けも達成した。私はスルメイカ25尾、ヤリイカ4尾の計29尾だった。
1流しで数投できるような緩潮になればもっと数釣りが楽しめる。トップは、前半は直結仕掛け、サバが減った後半はブランコ仕掛けを駆使した方が33尾で、3割ヤリイカが交じった。今後は、さらにヤリイカの割合が増えて数釣りが楽しめるということだった。
船上で完成させたスルメイカの「寒風干し」は、軽く炙って1センチ幅に切り、マヨネーズと七味唐辛子をつけていただく。至福の味だ。干しきれなかった分は、イカ大根の煮付けもお勧めだ。(田渕雅生)
★釣り方のポイント
当日のタナは底上10~15メートルと低いため、オモリ着底後の「着ノリ」がなければ、竿先をゆっくり大きく頭上まで上げて一気にストンと落とす誘いを4~5回。それでもイカのノリがなければ、20メートル上げて「巻き落とし」。これを繰り返す。
直結仕掛けの取り込みは、リーダーの結び目が竿先にきたら、中オモリが船縁内に入るようにセットしておくと取り込みやすい。仕掛けの手繰りは「急がず、慌てず、手を止めず」。上2本のツノをしっかりと固定しておくと、直結仕掛けが絡みにくくなる。
使用タックル
【ヤリイカ主体】ロッド「ダイワ・極鋭コンセプトゲームF H-170AGS」。リール「ダイワ・シーボーグG300J」
【スルメイカ主体】ロッド「ダイワ・アナリスター イカ直結150」。リール「ダイワ・シーボーグ500JP」。
◎ガイド◎ 〈船宿〉サンスポ推薦=安房勝山『萬栄丸』電話0470・55・1301〈交通〉JR内房線・安房勝山駅下車。徒歩約7分。バスは東京駅八重洲南口よりハイウェイオアシス富楽里下車。要予約で送迎あり。マイカーは館山道路・鋸南富山ICを下りて信号を右折。道なり約5分で勝山港。駐車場無料〈乗合料金〉氷付き1万1000円。午前6時出船。釣り座は先着順。不定休。
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