ブルペンで投げる高橋奎二=沖縄県浦添市(撮影・今野顕) ヤクルトは球団史上初の3連覇を果たすためにも、求められるのは先発陣の奮起だ。チームは昨季、リーグ連覇を果たしたが、先発投手の防御率3・84はリーグワースト。規定投球回に到達したのは小川のみで、2桁勝利を挙げた投手は2年連続で不在だった。
それだけうまくやりくりできた証しとはいえ、〝勝ち頭〟の存在には期待したいところ。
これまで6度開幕投手を務めた右のエース・小川と、通算183勝を挙げているベテラン左腕・石川。さらに左のエースとして飛躍を遂げそうなのが昨季8勝を挙げ、3月に開催されるWBCの日本代表にも選出された高橋だ。契約更改時には「球団から右の小川、左の高橋といわれるようにと。そこを目指したい」と意気込んでおり、目標に『2桁勝利』『規定回数登板』『奪三振王獲得』を掲げる。目標達成できれば、3連覇の大きな原動力となりそうだ。
昨季までのリーグ連覇を支えたマクガフの退団にともなう守護神争いにも注目が集まる。最速160キロを誇る剛腕新助っ人、キオーニ・ケラ投手(29)=前ドジャース3A=をはじめ、3年連続50試合以上登板を果たしているセットアッパー右腕・清水、通算85セーブで経験豊富な石山らが候補。伊藤投手コーチは「今までクローザーが抜けた次の年って、なかなか(後任を)決めきれずにチームが低迷するというのを、僕も経験していますし」と難しさを語るだけに、慎重な見極めによる〝日替わり守護神〟も辞さない覚悟だ。
新人ながら1軍キャンプメンバー入りを果たしたD1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝、高卒2年目右腕の竹山ら若手新戦力の台頭にも期待。戦力のさらなる底上げと卓越したやりくりとの掛け合わせができれば、悲願のV3も見えてくる。(ヤクルト担当・箭内桃子、記者歴6年)
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