左から、ロッテ・中村奨吾内野手、佐々木朗希投手、井上晴哉内野手 吉井理人監督(57)の下、新体制で今季に挑むロッテ。昨季5位からの巻き返しへ、春季キャンプ前半の過ごし方が鍵を握りそうだ。指揮官は3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表の投手コーチを兼任しており、侍ジャパンの宮崎合宿が始まる2月中旬からシーズン開幕直前の3月下旬までチームを離れる。
指揮官不在の異例のキャンプとなる中、いかに前半で〝吉井イズム〟が浸透するか。主将を担う中村奨吾内野手(30)は「吉井監督がWBCに行かれるまでに、しっかりとしゃべっていきたいと思っている。いない間は自分たち選手がそういうこと(吉井監督と話しておいたこと)を意識してやっていきたい」と話しており、主将のコミュニケーション力、リーダーシップがチームを一つにするキーになる。
ロッテ・吉井監督と沢村拓一投手キャンプは1、2軍を設けずにスタートする。「1、2軍を分けてしまうと選手全員を見ることができない」というのが理由の一つだ。吉井監督はレギュラーメンバーに関して「何人か(決めている選手は)いますけど…それほど多くはないです」と横一線を強調している。中でも競争が求められるのが遊撃だ。昨季は4選手が交代でスタメンに名を連ねるなど固定できていない。けがからの復帰を目指す藤岡裕大内野手(29)、昨季後半に存在感を放った茶谷健太内野手(25)、プロ3年目の小川龍成内野手(24)らが定位置奪取に燃える。ドラフト2位で走攻守がそろった即戦力の友杉篤輝内野手(22)=天理大=を獲得しており、〝台風の目〟となるかもしれない。
昨季途中から抑えを務めたオスナがソフトバンクに移籍するなど、補強ポイントの一つだったリリーフ陣には沢村拓一投手(34)が加入。メジャー通算23勝のルイス・ペルドモ投手(29)、ルイス・カスティーヨ投手(27)も補強しており、吉井監督の投手起用にも注目が集まる。
昨季は史上最年少の20歳で完全試合を達成した佐々木朗希投手(21)、チーム最多16本塁打の山口航輝外野手(22)、同9本塁打の安田尚憲内野手(23)ら期待の若手が大器の片鱗(へんりん)を見せた。他にも吉井監督が熱視線を送る「ダイナマイト山本」こと山本大斗外野手(20)や明石商高から入団して3年目の中森俊介投手(20)らの台頭も期待される。
2005年以来18年ぶりのリーグ制覇へフレッシュなパワーは欠かせない。(ロッテ担当・武田千怜、記者歴1年)
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