第42回大阪国際女子マラソン(29日、サンケイスポーツなど主催、奥村組協賛、大阪・ヤンマーフィールド長居発着)惜しかった。悔しかったと思います。ペースメーカーが離れた直後の30キロ過ぎに、安藤友香さんはエチオピアの2人に離されてしまいました。安藤さんのペースが落ちたわけではなく、2人が一気にギアを上げました。
2人の自己ベストは2時間20分台。マラソン強国ではトップクラスの選手ではありません。それでも、ついていけなかった。これが世界との差です。30キロまで安藤さんはペースメーカーのすぐ後ろについて、ほかの選手の走りを見ていません。ライバルたちを観察することも大切ですね。
優勝と自己ベスト更新を狙ったレース。自分でレースを引っ張っていった姿勢はとても評価できます。ただ、あそこは勝負のポイント。アフリカ勢の強さを体感するためにも、勇気を持ってついていくべきだったかもしれません。悔しさは10月のMGC、来年のパリ五輪でぜひ晴らしてほしいです。そのための貴重な経験だったと思います。
日本の女子の基本的なレベルはすごく上がっている。30キロまでは多くの選手が世界と戦える力をつけてきました。あとは最後の10キロ。持久力とスピード。その両方のレベルアップに向けて頑張ってください。(スポーツジャーナリスト、1984年ロサンゼルス五輪マラソン代表)
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