DeNA入団会見でポーズをとる京田陽太内野手。左は萩原龍大チーム統括本部長 DeNAは昨年、日本ハムを自由契約となった大田を獲得し、激しくなった外野手争いによって楠本、蝦名ら若手が頭角を現したように、近年は特に「チーム内競争」を重視する方針が色濃くなっている。
オフの補強にも、それは強く表れた。好例は中日からトレードで獲得した京田だ。昨季こそ自己最少の43試合の出場にとどまったが、2017年にはセ・リーグ新人王に輝き、そこから不動のレギュラーとして5年連続100安打以上をマーク。リーグ屈指の安定感ある遊撃守備を誇り、通算700試合に出場した実績を持つ。
DeNAは2020年に神奈川・桐蔭学園高からドラフト1位で森が入団。3年目の昨季は2月の両脚の負傷が響き、安定性にも課題を残したが、類まれな走力と観客の度肝を抜く強肩を1軍の舞台で披露した。そんな中での京田の獲得。ポジションを与えられるのではなく、その壁を越えて勝ち取るほどの実力をつけてほしいという球団の思いがくみ取れる。
DeNA・森敬斗内野手もちろん、昨季チーム最多の65試合に遊撃でスタメン出場した大和も健在。プロ18年目の勝負強さ、存在感が光る。昨季打率・195に終わった柴田も守備力は随一だ。長いシーズン、故障もあれば不調もある。京田の獲得は、そうしたアクシデントに備えるチームの層を厚くするためにも、チーム内競争激化の面においても、最良の補強であることは間違いない。
外国人補強においても方針は一貫している。3年契約の2年目を迎えるオースティンは右肘の再手術を受け開幕絶望。ソトが3年契約の最終年を迎える中で〝第3の助っ人砲〟として米マイナー通算76本塁打のアンバギー(前マリナーズ傘下3A)を獲得し、3年ぶりの外国人野手3人体制で競争を求める。
投手ではメジャー通算144試合登板のウェンデルケン(前ダイヤモンドバックス)を獲得。伊勢、入江らが台頭し、ストロングポイントとなったブルペンにも刺激を与え続ける。
全ては1998年以来のリーグ優勝、日本一を果たすため。競争を勝ち抜いた選手たちで、DeNAはペナントを勝ち取りにいく。(DeNA担当・浜浦日向、記者歴5年)
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