スムージーサワー「バナナスプラッシュ」を鶏キムチとともに 前回(1週前)が「つば九郎ハウ巣」に行った年末の話で、今回はあと数日で2月というのに2023年最初に飲んだビールの話。
全然タイムリーでなくて申し訳ないが、1月中に掲載できたことで勘弁してください。
2022年の飲み納めは12月30日だった。31日、1月1、2日は家から一歩も出なかった。家では酒を飲まない主義。お屠蘇(とそ)すら口にしなかったので、その3日間のアルコール摂取はゼロだった。
アルコール依存症ではないので禁断症状が出たわけではないが、連休の最終日くらいは…と初詣がてらに、なじみの高田馬場B食堂にふらりと立ち寄った。
「お帰りなさい」。いつものように迎えてくれた店主Iさんの顔に困惑の色が浮かんでいる。
「最長で17時半までになっちゃうんですが…」
それ以降は予約で埋まっているという。今は15時少し過ぎ。そんなに長いするつもりはないと伝えると、「あいているお好きなカウンター席を」と招き入れてくれた。
入り口に最も近い席に座ってメニューを見ると、ヘイジーダブルIPAが3(国内2、海外1)、ダブルIPA、IPA、アメリカンペールエール、ベルジャントリペル(ってなんだ、と調べたらベルギーで醸造されたビールの中でもアルコール度数が強いビールの総称だそうだ)、セゾンがそれぞれ1(いずれも海外)、そしてスムージーサワー(国内)が1。
悩んだ末に、2023年初ビールに選んだのはスムージーサワーの「バナナスプラッシュ」。この1、2年ほどの間、スムージーと呼ばれるビールが流行していることは知っていたが、IPAではなくサワーエールで、いわゆる「酸っぱいビール」はあまり得意じゃないので敬遠してきた。
■スムージーサワーとは…
スムージーとは、果物や野菜をミキサーにかけて作る、トロリとした(もしくはドロドロした)飲み物の総称。スムージーサワーは、サワービールに大量のフルーツピューレを投入して造ったものだそうだ。
「バナナスプラッシュ」はアマクサソナーという熊本のブルワリー(醸造所)のビール。アマクサソナーのビールは、これまで「マラカス」(焦げ茶色。だいぶモルティーな甘さ強めのIPA)と「トロピカルストーム」(濃いめのオレンジ色の薄く濁ったIPA。すっきりした柑橘(かんきつ)系の香り。飲むと苦みの強い柑橘系だが、モルトの甘みも感じる)の2つを飲んだことがあるが、いずれもIPA。スムージーに手を出したのは初めてだった。というか、スムージービールを飲むこと自体が人生初体験だった。
感想は、バナナに梅のような酸味が利いたスムージー。アルコール度数は4・5%だが、お酒と思わせない飲み口で、ある意味ヤバイビールだった。メニューの説明書きは〈バナナスプラッシュ2ndバッチ バナナ、ピーチ、プラム、パイナップル、カスタードクリーム、バニラビーンズを使用したトロトロ甘酸っぱい大人のバナナスムージー〉。酸味はプラムだったのね。失礼しました。
世の男たちは、同席した女にスムージーを勧めて「うそっ! これビール? おいしー!」とか言わせて酔わそうという魂胆なのだろうか。知らんけど。
人生初スムージーはビールを飲んだ気がしなかったので、2杯目を注文した。選んだのは宇宙戦争が今も展開している、うちゅうブルーイングの「宇宙DAIGAKU(ダイガク)」。ヘイジーダブルIPAだ。黄色い濁ったビールで、カラタチを思わせる柑橘系の香りがする。やや酸味のある苦みしっかりのヘイジーで、アルコール度数が8.5%だけにハイアルコール感もある。うちゅうにしては甘くなく、ヘイジーの中では好みといえる。
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