女子シングルスで優勝し、スタンドに手を振る早田ひな(代表撮影) 卓球・全日本選手権最終日(29日、東京体育館)2024年パリ五輪代表選考の対象となるシングルスの決勝が行われ、女子は早田ひな(22)=日本生命=が木原美悠(18)=エリートアカデミー=に4―2で勝ち、3大会ぶり2度目の優勝。女子ダブルス、混合ダブルスも制した早田は男女合わせて史上7度目の3冠を達成した。
全日本選手権で女子の3冠は過去に3人しかいない偉業。4人目となった早田が、感極まって涙ぐんだ。
「素直にうれしい。やり切ったと思っている」
準決勝で東京五輪代表の石川佳純(29)=全農=にストレート勝ちし、決勝の相手は先月の世界ユース選手権で単複2冠を果たした木原。序盤2ゲームを連取され、早田は「(そこまでの)負けを認めて、自分自身が強くなった」という。「これで勝ったらすごいな」と気持ちを切り替えて臨んだ第3ゲーム以降は、相手の読みを外すサーブなどで得点を重ねた。
一昨年の東京五輪は補欠だった。その後は2024年パリ五輪代表を目指して、サポートしてくれる「チームヒナ」とともに強化を進めている。
「打ちにくい、気持ち悪いという感覚を、その都度トレーナーやコーチに話し、解決策を見いだしてきた」。中学時代から師事する石田大輔コーチらと細かなことも話し合い、小さくても進歩を積み重ねてきた。
今大会では、実際に打ち合って感じる相手の調子なども試合序盤にじっくり判断し、豊富な引き出しから戦い方を選択する冷静さを披露。「パリ五輪に向けて力をつけるためにやってきたことが3冠につながっている」と自身の成長を語る。
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