断髪式で、元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏(右から2人目)にはさみを入れてもらい、涙ぐむ元横綱白鵬の宮城野親方=28日、東京・両国国技館(代表撮影) 大相撲で史上最多の優勝45度を記録し、2021年9月に現役引退した元横綱白鵬の宮城野親方(37)=本名白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=の引退相撲が28日、東京・両国国技館で開かれ、断髪式では二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)ら現役時代にしのぎを削った親方衆の他、森喜朗元首相やトヨタ自動車の豊田章男社長ら約280人がはさみを入れた。
同じモンゴル出身で元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏がはさみを入れた際には涙を拭った。現役時代の師匠、間垣親方(元幕内竹葉山)が大銀杏に最後のはさみ。「体の一部がなくなった寂しさがある。(断髪中は)気持ちの整理がつかず、浮き沈みがあって大変だった」と心境を吐露した。
最後の不知火型の土俵入りも披露。太刀持ちに初場所優勝者として大関貴景勝を、露払いには「同じモンゴル出身で、叔父さん(元横綱朝青龍)との縁もある」との理由で関脇豊昇龍を従えた。
◆現役時代に闘った二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の話 「一時代が終わったかなという寂しい気持ちがある。大きな山だった。それがあったからこそ、僕の相撲人生もあったのかなと思う。今後の大相撲を盛り上げるためにも、一緒に頑張っていきたい」
◆現役時代の師匠、間垣親方(元幕内竹葉山)の話 「(入門時に)あんなに小さかった人間が横綱になって、私は本当に幸せだった。真面目で怒るようなことがなかった。自分が横綱として経験したことを若い子たちに伝えていってもらいたい」
◆同じモンゴル出身で現役時代に闘った鶴竜親方(元横綱)の話 「お疲れさまでしたと声をかけた。日本相撲協会のために、これからも一緒に頑張りましょうという気持ち。自分の引退相撲(6月3日)のことも、いろいろと想像した」
◆横綱土俵入りで太刀持ちを務めた大関貴景勝の話 「初場所が終わってから、やってくれないかと言っていただいた。人生で初めての経験。大横綱の最後の太刀持ちをやることができて光栄。一生懸命に稽古し、強くなることが全ての人への恩返しになるので頑張りたい」
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