会見するミエセス㊨。イスが小さく見える。髪形もスゴい 「まさか、こんな日が来るとは…」
トラ番キャップ・三木建次がポツリとつぶやく。選抜の21世紀枠で母校・城東高(徳島)が初出場を決めたのだ。
「すごい。快挙じゃないですか。すぐに虎のソナタに書いてもらいましょう。報告しましょう」
トラ番の後輩、織原祥平と邨田直人がそろって先輩をけしかけた。が、遠慮のかたまり(?)三木は「いや、エエんや。俺はエエんや」と喫煙室へ逃げてしまった。
が、朗報を伝え聞いた他紙のトラ番キャップが「絶対に書いてあげてくださいよ」と虎ソナ班にお願いにやってきた。本人が申告してこないけれど、それだけみんな喜んでいるのなら、書くしかない。三木を呼びつけ、詳しく聞いた。
「僕の時代は校舎が狭くて、野球部はなかったんです。だから、仕方なくソフトボール部に入部しまして。県大会の決勝まで進んで、その試合で僕が一塁へヘッドスライディングをした際に小指を骨折。主砲を欠いたチームは0-1で敗れて国体出場を逃したんです。僕の卒業後、野球部ができて。だから、僕は今の選手たちの先輩のようなものです」
遠慮していた割には、自慢話を延々としてきた。いやいや、喜んでいい。自慢していい。甲子園なんだから。
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