〝ママさんランナー〟初の五輪代表を目指すダイハツ・前田彩里 「第42回大阪国際女子マラソン」(サンケイスポーツなど主催、奥村組協賛)が29日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着で行われる。4年ぶりにフルマラソンに出場する前田彩里(31)=ダイハツ=は28日、大阪城公園周辺などで調整。女児の出産をへて、9大会ぶりに浪速路に帰ってきた前田が〝ママさんランナー〟として史上初のマラソン五輪代表を目指し、2024年パリ五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」(10月15日、東京都内)の出場権獲得を狙う。
前田が浪速路に帰ってくる。出産をへて、4年ぶりに挑むフルマラソン。9大会ぶりに参戦する大阪国際で、〝ママさんランナー〟として史上初のマラソン五輪代表入りへ第一歩を踏み出す。
「大阪に対するイメージはいい。初マラソンから産後も初。いいイメージを作れるレースにしたい」。大会に向けてそう意気込みを話していた前田。初マラソンは2014年の大阪国際。再スタートの地には、やはり大阪を選んだ。
当初は21年の東京五輪を目指し、19年のMGCに出場予定だったが、右太もも裏を痛め欠場。代表の残り1枠をかけた翌20年3月の名古屋ウィメンズも故障で欠場となった。山中監督によると「東京五輪の代表が絶望的なったときに『まだやりたいし、でも子供も欲しくて』みたいになっていて」と前田は悩んでいたという。ただ、右太もも裏を慢性的に痛めていたこともあり、一度、競技を離れることを決断。同年12月に長女、彩葉ちゃんを出産した。
「(競技に)戻るつもりだったので、あまり走らない時間をつくりたくなかった」と五輪出場への思いが強い前田は、「臨月に入るまではゆっくり走っていました」と可能な限りで自主練習を実施。産後も2、3カ月から自主的に走り始めた。
本格的にチームに合流したのは21年12月。その当時の様子を山中監督は「焦っている感があった」と振り返る。そのため、産婦人科医に助言をもらいながら、前田のメンタルをケア。段階を踏んでトレーニングを積み、今年から再びマラソンの舞台に帰ってきた。
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