令和3年の大相撲初場所限りで現役を引退した元横綱白鵬の宮城野親方(37)=本名白鵬翔、モンゴル出身=の引退相撲が28日、東京・両国国技館で開かれ、断髪式では森喜朗、鳩山由紀夫元首相ら各界の著名人を含む約280人がはさみを入れた。最後の横綱土俵入りでは太刀持ちに大関貴景勝(26)、露払いに関脇豊昇龍(23)を起用。現役の看板力士とモンゴルの後輩へ思いを託した。
史上最多の優勝45度を誇り、長く屋台骨を支えた横綱らしい。宮城野親方の断髪式では、その人脈が示された。
会場には森喜朗、小泉純一郎(断髪式には不参加)、鳩山由紀夫の元首相たち。ミュージシャンのYOSIKI、米国の俳優スティーブン・セガール、豊田章男・トヨタ自動車社長らが足を運び、最後は現役時代の師匠で部屋付きの間垣親方(元幕内竹葉山)が大銀杏(おおいちょう)を切り落とした。
「終わったなあ、という気持ちと、体の一部が無くなったというさみしさもある」
髪を切り終えた元横綱の日馬富士公平氏から声を掛けられると、涙を何度もぬぐった。ライバルとして何度も大一番を闘った二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は「一時代が終わった。さみしい気持ち。(白鵬の)壁は高かった。それがあったからぼくの相撲人生もあった」と振り返った。
整髪後は前髪を上げ、サイドは刈り上げて髪はバックに。しゃれた髪形となったが「大勢の人にはさみを入れてもらって、髪が少なくなってしまった」と笑わせた。
冒頭のオープニングセレモニーでは歌舞伎俳優の市川團十郎が登場。祝いの舞踊とされる「三番叟(さんばそう)」を舞った。土俵上でこうした芸事が披露されるのは極めて異例のことだ。
最後の横綱土俵入りには、看板力士と母国の後輩へ奮起と激励を込めていた。さきの初場所で3度目の賜杯を抱いた大関貴景勝が太刀持ち、露払いにはモンゴル出身で元横綱朝青龍のおいの関脇豊昇龍を従えた。
「横綱、大関は看板力士。今後の大相撲を支えていかなければいけない立場、責任がある」と宮城野親方。初場所で8勝7敗と勝ち越した豊昇龍には「モンゴルの若手で一番あぶらが乗っていて期待もある」と言葉を贈った。番付最高位の威風が、2人をきっと刺激する。(奥村展也)
★断髪式に参加した他の主な著名人 山下泰裕(JOC会長)、吉幾三(歌手)、松山千春、GACKT(ともにシンガーソングライター)、原辰徳(プロ野球巨人監督)、デーモン閣下、東山紀之(ともにタレント)、中村獅童(歌舞伎俳優)、鶴竜親方(元横綱)、照ノ富士(横綱)=敬称略、順不同