追悼式典に先立ち、アウシュビッツ強制収容所(第1収容所)跡の「死の壁」前で献花する生存者や家族ら=27日、ポーランド南部オシフィエンチム(共同) 第2次大戦中、ナチス・ドイツにユダヤ人ら110万人以上が虐殺されたポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所跡で27日、ソ連軍による解放から78年を迎え、追悼式典が開かれた。収容所で極限の日々を経験した生存者は高齢化が進み、次世代に記憶をどう継承していくかが課題になっている。
主催は収容所跡を管理するアウシュビッツ・ビルケナウ博物館。これまで式典にはロシアの代表も出席したが、今年はウクライナ侵攻を理由に招かなかった。生存者や家族らは式典に先立ち、多くの収容者が銃殺された「死の壁」前で献花した。
アウシュビッツ強制収容所は1940年にナチスが占領下のオシフィエンチムに開設。約130万人が移送され、45年1月27日に解放されるまでに110万人以上がガス室などで殺害された。犠牲者の9割はユダヤ人だった。
収容所跡には若い世代を中心に世界中から多くの人が訪れ、2019年は過去最多の232万人を記録。新型コロナウイルス流行で減少し、22年は118万人だった。(共同)
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