初場所で優勝し、内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝=両国国技館(代表撮影) 大相撲初場所は大関貴景勝が12勝3敗で13場所ぶり3度目の優勝を果たした。22日の千秋楽は結びで前頭13枚目の琴勝峰との相星決戦が組まれる異例の展開だった。
千秋楽結びの一番に平幕力士が上がるのは、昭和以降では昭和2年1月の春場所の若常陸(西前頭7枚目)、昭和47年初場所の栃東(西前頭5枚目)以来、48年ぶり3度目。千秋楽相星決戦は一場所15日制(昭和24年夏場所以降)では41度目だが、これまではすべて横綱、大関によって争われており、関脇以下の力士が挑んだのは琴勝峰が初めてだった。
明治31年1月の春場所以来、実に125年ぶりという1横綱1大関しかいない番付で、しかも横綱照ノ富士が全休。4場所連続での平幕優勝もあるかという状況で、貴景勝がなんとか大関の面目を保った形だ。とはいえ、12勝3敗は残念ながら高いレベルでの優勝といえない。貴景勝は昨年11月の九州場所でも12勝3敗だったが、優勝決定巴戦で平幕の阿炎に優勝を許し、優勝同点だった。初場所での優勝を経て、3月の春場所でようやく「綱とり」となる。
初場所後の横綱審議委員会では高村正彦委員長(元自民党副総裁)は「レベルが高い優勝などという人はいないのではないか」と、星数には言及せずに2場所連続優勝が昇進の条件になるとの私見を示した。
春場所で貴景勝が連覇して横綱昇進を決めたら、どうなるか。次の夏場所は照ノ富士との2横綱となり、大関が空位になってしまう。現状、すぐに大関に上がるような三役力士はいないので、横綱の次が関脇になるということだ。
この記事をシェアする